滅竜武器について(~ep.366)
・所有者情報の補足
年齢は世界大戦時のものです。
本編のep.366「閑話:久遠の語り部の約束」までのネタバレを含みます。
───滅竜武器一覧
・「竜殺しの魔剣」
大剣(白黒)、特効、金
・「闇夜裂く双剣」
双剣(金銀)、特効、黒
・「風絶ちの神槍」
長槍(青白)、特効、緑
・「星を穿つ大弓」
長弓(白金)、特効、銀
・「時が凍る銃弾」
長銃(青緑)、特効、赤
・「海滅ぼす小剣」
小剣(赤緑)、特効、青
・「稲妻砕く右拳」
籠手(赤銀)、特効、白
───色ごとの基本情報(通称、属性、大罪)
・金: エターナルドラゴン、光・生命、色欲7番
・黒:アビスゲートドラゴン、闇・変幻、暴食6番
・緑:インビジブルドラゴン、風・大気、強欲5番
・銀:タングステンドラゴン、物・大地、怠惰4番
・赤:プロミネンスドラゴン、火・炎熱、憤怒3番
・青: クリスタルドラゴン、水・氷雪、嫉妬2番
・白:ライトニングドラゴン、雷・電磁、傲慢1番
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───「竜殺しの魔剣」
■所有者1:レオ・レオ。自称勇者。45歳。人の希望で在り続ける事を目指す努力家。
■所有者2:黒雷。魔剣に見入られた男。28歳。金を滅ぼすことに執着する。
■色や形状:白黒の大剣。
■含まれる色:白(傲慢)、黒(暴食)
■特効の相手:金(エターナルドラゴン)
■威力・規模:触れた全てを消滅させる無慈悲な一撃。
■制約:傲慢なくらいの絶対の自信を持ち、それでも力への飽くなき渇望と変容を望む。不変と変容の精神バランスが完全に拮抗していなければ起動できず、間違った状態で使用すると使用者が消滅する。
■起動条件:その刀身で持って巨大なマナの攻撃を受ける事で力を蓄積する。膨大なマナが必要なので強敵相手にしか起動条件を満たしにくい。
■数の由来:特になし。
■補足:滅竜武器で唯一黒が使われており、光の神を滅ぼす事のできる唯一の武器。剣の柄の部分に白と黒の勾玉がついていて、マナが蓄積される毎に光が増す。白と黒のどちらの輝きが強いかで精神バランスも確認できる。偏りがある状態では危険。色欲→エロス→生命という設定由来から、生命に対する全否定の武器となっている。
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───「闇夜裂く双剣」
■所有者:ボチョール・コ・モナリーガ。モナリーガ国王。48歳。先の世界大戦を終わらせた勇者パーティーの一人で剣聖と呼ばれる剣の達人。
■色や形状:金銀の双剣。
■含まれる色:金(色欲)、銀(怠惰)
■特効の相手:黒(アビスゲートドラゴン)
■威力・規模:いかなる物も容易く切り裂く連撃。
■制約:資格無き者が金の剣を持つと肉体の老化が急速に進み、銀の剣を持つと精神の老化が進む。
■起動条件:11連撃を一度もミスヒット・空振りせず、同対象に叩き込む。自身よりも強大なマナを持つ相手。斬撃で敵が一定量以上のマナを流出させなければミス扱いとなる。
■数の由来:4番(怠惰)+7番(色欲)で11連撃。
■補足:色欲の特性として相手を激しく求め、怠惰の特性としてミスを嫌い、最短手順を求める。カスヒットを積み重ねても起動条件を満たせず、強敵相手に11回のクリーンヒットを達成する難しさの分、制約は他の滅竜武器よりも弱い。なんでも変化を取り込む暴食が、唯一望まないのに摂らされる変化の「老化」が資格無き者への代償。
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───「風絶ちの神槍」
■所有者:カッパー・エンビカ。カービル帝国の四天王の最古参。74歳。220cmの巨体で隻眼の猛者。
■色や形状:青白の長槍。
■含まれる色:青(嫉妬)、白(傲慢)
■特効の相手:緑(インビジブルドラゴン)
■威力・規模:成層圏まで切り裂く巨大な斬撃。
■制約:性能の全てを説明する必要がある。性能を全て語った上で勝ちを確信する傲慢さ。性能を知る相手への劣等感からくる嫉妬。その二つの認識を正しく練り上げる。使用者の知らせた認知と、敵の知った認知の両方が必要。白と青への高い適性が無いものが持つと精神が焼き切れる。
■起動条件:性能を知った敵意ある存在が多いほど強くなり、敵の焦りや動揺がマナ増幅に繋がる。1人辺りのマナ量は微々たるもののため、敵が大軍であればあるほどマナを満たしやすい。
■数の由来:特になし。
■補足:大軍を相手にしても動じない傲慢さ、数への嫉妬が必要なので、敵が少数だと発動しにくい。マナの増幅に応じて刀身が青白く輝く。それに応じて雷雲が上空に現れ、豪雨と落雷が充填完了の合図となる。切り裂いた大気を液化させてそれを電撃で破壊する。風の神すら切り裂ける唯一の武器。
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───「星を穿つ大弓」
■所有者:ミア・ジノゴ。貴族女性。29歳。真面目な努力家で友人思い。
■色や形状:白金の大弓。
■含まれる色:白(傲慢)、金(色欲)
■特効の相手:銀(タングステンドラゴン)
■威力・規模:超巨大クレーターを作る雷光の一矢。
■制約:どんな距離でも当てる事ができるという傲慢さ。僅かなミスで無関係な者を皆殺しにしてしまうという事への正しい恐れと慈愛。その両方を併せ持つ精神状態でなければ、射手は命を落とす。
■起動条件:「雲を超えて遥か上空、まるで星が手に届きそうな高さ」の高度から相手の頭部を射貫く。条件達成した方角へ向け、無数の雷が集まり始め、それを手にする事で1本の矢に変わる。
■数の由来:特になし。
■補足:色欲の特性として博愛精神、傲慢の特性として射手の高度な技量と自信を要求する。高い所に位置するのは、見下ろす傲慢さや、多くの命への博愛の演出を含む。ヘッドショットが起動条件なのは、難易度調整と、「そんなに動くのが嫌なら考える事もやめてしまえ」という怠惰へのアンチテーゼを含む。
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───「時が凍る銃弾」
■所有者:ザビエル。元大海賊の頭領。年齢不詳。今も裏社会を牛耳る謎多き存在。
■色や形状:青緑の長銃。
■含まれる色:青(嫉妬)、緑(強欲)
■特効の相手:赤(プロミネンスドラゴン)
■威力・規模:絶対零度で巨大湖を凍らせる銃弾。
■制約:射線上に多くの命を捉え、1つの射撃で多くの命を奪う強欲さ。自身以外の全ての命や若い生命力に対する強い嫉妬。その二つを満たしていなければ、発動できない。起動条件を満たした銃を所有者以外が装備した時、その装備者は絶対零度で永遠に凍り付く。
■起動条件:6発の銃弾で多くの命を奪う。奪った命のトータルのマナ量が一定水準を超えた場合、7発目の銃弾が起動条件を満たす。
■数の由来:2番(嫉妬)+5番(強欲)で7発縛り。
■補足:他者の命を妬み、奪うという観点の制限と起動条件。元々の性能も貫通力が異常に高い武器。多くの兵が戦う戦場で、一度の射線にどれだけ多くの兵を収めるかが鍵。奪う命は味方であっても構わない。また、カートリッジは7つの弾丸で1セット。紋章部分の輝きで貯まったマナ量が分かるギミック。
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───「海滅ぼす小剣」
■所有者:プリス・アモーク。貴族の息子。21歳。マナ心眼の所持者でもある。
■色や形状:赤緑の小剣。
■含まれる色:赤(憤怒)、緑(強欲)
■特効の相手:青(クリスタルドラゴン)
■威力・規模:巨大湖を蒸発させる灼熱の嵐のタクト。
■制約:仕留められない迂遠な攻撃を続ける事で怒りを溜め込み爆発させるため、攻撃の毎に所持者は憎しみを覚えなければならない。また、憎しみに比例してマナを奪い溜めていく。相手は自身よりも膨大なマナを持った相手でなければ強い欲を満たせず発動しない。逆に自身よりも弱いマナの相手に攻撃すると、使用者の体内の水分が徐々に失われ、最後は致死に至る。
■起動条件:膨大なマナを持つ敵に対し、右肩、左手、右手、左肩、左膝、右肘、左肘、右膝の箇所へ順番に突きを行う事で、起動条件を満たす。
■数の由来:3番(憤怒)+5番(強欲)で八芒星。
■補足:巨大湖を干からびさせるような灼熱の暴風を、一突きのピンポイントに集約するという局所への超威力を誇る。威力は滅竜武器の中で最強クラス。八芒星の形状で赤と緑の宝玉がついており、マナを奪う攻撃の度に該当箇所が光を放つ。憎悪を向ける敵に最初の攻撃を当てると、敵に八芒星がうっすらと浮かび上がり、次の攻撃箇所が光る。剣の技量が相手よりも圧倒的に上だと示す意味もあり、相手の嫉妬心を煽る狙いもある。嵐は、レイピアを指揮棒に見立て八芒星を一筆書きする事で発生。
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───「稲妻砕く右拳」
■所有者:ビット。ワールドンが初めて出産に立ち会った赤子が成長した姿。18歳。但し、当時の記憶は失くしている。
■色や形状:赤銀の籠手。
■含まれる色:赤(憤怒)、銀(怠惰)
■特効の相手:白(ライトニングドラゴン)
■威力・規模:霊峰をも破壊し、天まで轟く一撃。
■制約:傲慢な対戦相手に舐められている事への怒り、なるべく短く済ませたい怠惰な心。それらがあって初めて条件を満たせる。相手に対して強い怒りが無いと、重量がドンドン重くなり動けなくなる。所持者以外が装備しても何の恩恵も得られない。
■起動条件:10分間、自身よりマナが上回る攻撃対象とタイマンをする事で起動可能。
■数の由来:4番(憤怒)+6番(怠惰)で10分間。
■補足:敵が複数になっても、味方の援護があっても条件不成立となるので難易度が極めて高い。その為、「1人でも充分」と判断するような傲慢な相手にしか成立しない。燃えるような赤と、冷めるような銀の色が輝きを放つ。条件を満たしている間、その輝きはドンドンと増していく。両拳を打ち付ける所作で起動する。
設定自体は連載前にざっくり決めてあって、細かい設定は物語中盤辺りに書いたものです。
───その他、細かい設定
黒マナは、暴食の特性上、全てを食らって浸食するという裏設定を用意しているので、滅竜武器に使われているのは「竜殺しの魔剣」だけです。
白マナは変化を跳ねのけるという傲慢の産物なので、唯一、黒マナの浸食を跳ねのける事ができます。ただ、白が地上で生活をしないので、白の最高品質のマナ鉱石は非常に貴重価値が高く、他とはくらべものにならないのです。
設定は「白マナ=電気」となっていて、最高品質のマナ鉱石は、1個で新宿の電力を1000年賄う事ができる程の超エネルギーと捉えて頂ければと思います。
本編でバランが「そこらの平民に白の最高品質を運ばせるなんてあり得ない」と思っていたのは、この背景設定によるものです。




