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召還された召喚師  作者: 星々導々
第四章 父親の影と夢物語
168/275

168話 雪上の防衛戦術

「――あ、あの、テオさん」


 集落での昼休憩時。

 パトリシアが、狼狽えた様子で話しかけてきた。


「ど、どうしました? パトリシアさん」


 おっかなびっくりに訊ねるテオ。

 パトリシアの目が、腫れている。まるで一晩泣き倒したかのようだ。


「教本、が……」

「え?」

「戴いた、マナヤさんの、教本、が……無い、んです」

「無い?」


 徐々にパトリシアがしゃくりあげ始める。

 そのまま、崩れ落ちた。慌ててテオもしゃがみこみ、肩に手を置こうとして――


(いけない)


 寸前で踏みとどまった。

 彼女はまだマナヤ以外の男性に触れられるのに慣れていない。


「ずっと、探してた、んです……小屋の中も、外も……」

「み、見つからなかったんですか?」


 俯いたまま、彼女は頷いた。


「どう、しよう……マナヤさんが書いた本、なのに」


 ぱたぱたと、地面に雫が垂れはじる。

 テオは、手を引っこめた。


(僕の予備を……ってわけにもいかないよね)


 彼女が欲しがっているのは『マナヤ直筆』の本だ。テオが書き写したものではない。


「お、落ち着いてパトリシアさん」


 テオは触れぬようにはしつつも、そっと優しく声をかけた。


「僕が、マナヤにもう一度書いてくれるよう、頼んでみますから」

「ま、待ってください!」


 が。

 パトリシアは突然、テオの手を掴みとめてきた。


「え?」

「マ、マナヤさんには、言わないで……」


 目元から、まだ涙が溢れている。

 が、悲しみの表情ではなかった。むしろ、何かを強く怖れているかのように引きつらせている。


「せっかく貰った、のに……もう失くした、なんて、マナヤさんに知られたら……」


 掴んでくる手が、震えていた。

 思わずテオの表情も強張ってしまう。


 ――いや、もう知られてるんだけどな。俺、起きてるしよ。


 頭の中で、マナヤが気まずそうに声を上げていた。

 テオは一瞬、罪悪感に囚われる。が、なんとか笑みを作り、パトリシアを慰めるように言った。


「わかりました。言いませんよ」

「ほ、ほんとですか……?」

「はい」


 顔を上げたパトリシア。

 テオの笑顔を見て、少しずつ安堵の表情へと変わり始める。テオはそっと語り掛けた。


「今はとりあえず、僕の予備を貸しておきますね。いずれ、なにか理由をつけてマナヤにもう一冊、書いてもらいますから」

「い、いいんですか……?」

「もちろんです」


 テオは、手元の本を差し出した。

 おずおずと受け取ったパトリシアは、戸惑いつつ、しかし仄かな笑みを浮かべてきた。


「ありがとう、ございます」


 パトリシアは涙を拭き、立ち上がった。


 ――おい、ちょっと待てテオ。


 そこへ、マナヤの不機嫌そうな声が。


 ――まさか、隠しとくつもりか? 俺がもう聞いちまってるってこと。

(いいじゃない。どうしても人に内緒にしておきたいことだって、あるよ。知られたら困る事だとかね)

 ――妙に実感の籠った言い方だな?


 軽い感じで問いかけてくるマナヤ。

 思わず、テオの心臓が跳ねた。


 ――まさか身に覚えでもあんのか? テオ。

(そ、そういうことじゃないよ)


 まずい。

 マナヤに、アシュリーの父親のことを知られるわけにはいかない。


「テオさん」


 そこへ、背後から声。

 振り向くと、先ほどまで指導に混ざっていた、白髪に近い水色の髪をした女性が。


「あ、ナキアさん」

「パトリシアさん、どうかされたのですか? 先ほど、怯えた様子ですれ違ったのですが」

「い、いえ、特になにも」


 思わずどもりかけてしまう。

 だがナキアは軽く首を傾げただけで、すぐに用件を思い出したように問いかけてきた。


「それで、そろそろ休憩時間が終わる頃なのですが……」

「あ、そうですね。すぐに行きます」


 テオもすぐに姿勢を正した。

 指導の再開だ。ぺこりとお辞儀をしたナキアを見送り、テオは予備の教本を取りに小屋へと戻る。


(それじゃあマナヤ、またお願いね)

 ――おう。しっかりと頼むぜ、テオ。


 頭の中に、マナヤの不敵な笑顔が浮かんだ。




 氷の防壁の上。

 テオは、防壁の集落側に集まった集落の者たちを見下ろした。


 ――これから、雪や氷の上で戦う時の注意事項を説明するぞ。

「これから、雪や氷の上で戦う時の注意事項を説明します!」


 マナヤが頭の中で言う言葉を、ほぼそのまま口にする。


 ――氷の上では、モンスターは衝撃によって押し戻されやすくなる。だから、打撃攻撃を行うモンスターが有効だ。

「氷の上では、モンスターは衝撃によって押し戻されやすくなりますから――」


 テオは、まだ雪上での戦いにそれほど慣れていない。説明役としてはまだ不適だ。

 かといってマナヤは集落の者たちに嫌われており、かつ『殺しのビジョン』のせいで表に出にくい。

 ゆえにテオは、代弁者に徹していた。


 もちろん、いずれはテオも身につけなければならない知識。だからテオ自身が雪上の戦いをもっとしっかり学び、しかる後にテオ自身が教えるという方法をとってもよかった。

 だが、あえてこうしている。マナヤにも『役割』が必要だ。


「――テオさん!」


 その時、見張り塔の上から声が。

 テオは説明をいったん中断し、そちらを見上げた。防壁よりも少しだけ小高く作られた見張り塔だ。


「野良モンスターが接近してきてるみたいです! ケンタウロスが反応してる!」


 その見張りは、ちょうどテオの正面を指さしていた。


 ――ちょうどいい。雪上の戦い方、せっかくだから皆にも実践で見せてやるとするか。


 マナヤの張り切った声が聞こえてくる。


(ぼ、僕にできるかな)

 ――大丈夫だ、俺の指示した通りに動け。いいな?

(うん、わかった)


 マナヤの指示なら、信頼できる。

 テオは腹に力を入れつつ、下から見上げてきている集落民から一人に呼びかけた。


「ええと、キニアスさんでしたね。FEL-9(フェルナイン)はちゃんと準備できていますか?」

「ああ、問題ない」


 キニアスという中年男性は、目を閉じたまましっかりと返事していた。

 視点変更しているのだ。テオの正面にある例の防衛機構、その最奥に配置されている猫機FEL-9(フェルナイン)は、彼のもの。既に防衛機構ごとに当番を決め、それぞれに一体ずつ猫機FEL-9を置いておくよう指示してあった。

 テオは頷く。


「では皆さん、防壁の上へと上がってきてください! 雪の上での戦い方、僕が実践で見せます!」

「雪の上の戦いって、何をするんですか?」


 集落民の一人が問いかけてきた。

 テオはぱちりとウインク。


「それは、見てからのお楽しみです!」


 不思議そうな顔で見上げて来る集落民たち。

 しかし彼らはすぐに、防壁の上へと続く階段へと早足で向かい始めた。

 その間にテオは、防衛機構の上へ移動。細い通路で仕切られた防衛機構、その壁と壁の間を跳び移りながら、一番外に面している壁の上に立った。


 ――テオ、もっと『角』の方に移動しろ。じゃないと、みんなからは防衛機構の下が見えねえ。

(あ、そうだね)


 マナヤの指示に、すぐにテオも察した。

 防衛機構のすぐ正面は、防壁の上からは死角だ。四角い防衛機構、その角のあたりで戦えば、見学している皆からも見ることができるはず。


「テオさん、見えました! 相手は『ミノタウロス』です!」


 見張りから報告。

 すると、マナヤの嬉しそうな思念が伝わってくる。


 ――よしよし、ミノタウロスか。こりゃ説明しやすくてちょうどいいな。

(どういうこと?)

 ――いいから、お前は言った通りにやってみせろ。いいか、まずは――


 マナヤの説明を一通り聞いた。

 テオは頷き、防壁の方へと視線を移す。すでに集落民は皆、防壁の上で待機済みだ。


「よ、よし、それじゃいきます! 【牛機VID-60(ヴィドシックスティ)】召喚、【待て】!」


 手をかざし、召喚紋を展開。

 中から、紫色の金属でできた機械の牛が現れた。機甲系の中級モンスターだ。


「き、きた!」


 観察している集落民の一人が、やや怯えた声を上げた。

 森の中から、敵が姿を現す。瘴気のオーラを纏う、大斧を持った牛頭の大男だ。


「見ててください、みなさん!」


 テオは、マナヤの言葉をほぼそのまま語る形で叫んだ。


「これからミノタウロスは、牛機VID-60(ヴィドシックスティ)()()()()()()()()()()()()()()()()!」

「え?」

「ど、どういうこと?」

「攻撃できなくなるって、なんでだ?」


 当惑し始める集落民。

 自分で言っておきながら、テオ自身も困惑する。


(え、どういうこと? マナヤ)

 ――見てりゃ、わかる。これ以上は何もする必要はねえからな。

(そうなの?)


 テオは、視線を下へと戻した。

 ちょうど敵ミノタウロスが進路を変更し、すぐ近くにいる牛機VID-60(ヴィドシックスティ)へと向かっていくところだ。


 ミノタウロスが、牛の機械獣に隣接した。

 すぐに大斧を振り上げ始める、が。


 ――ドガッ


 それを振り下ろす前に、突き飛ばされた。

 牛機VID-60(ヴィドシックスティ)が角で突き上げたのだ。ミノタウロスは大きく後方へと滑っていき、やっと振り下ろした大斧は空しく大地を叩く。


「おお!?」

「み、ミノタウロスが吹き飛んでいった!?」

「どういうことだ、斧が空振りしたぞ!」


 観察していた者たちは、瞠目している。

 ミノタウロスは、改めて牛機VID-60(ヴィドシックスティ)へと歩を進め始めた。角の攻撃で多少傷ついていたが、まだピンピンしている。


(あ、そういうことか! 教本にも書いてあったね、そういえば)

 ――おう。やっと思い出したか。


 マナヤのほくそ笑むような声。


 再度、敵ミノタウロスが隣接してきた。

 が、またすぐ牛機VID-60(ヴィドシックスティ)に突き飛ばされる。ミノタウロスの斧は、牛機VID-60に掠りもしていない。

 テオは振り向き、マナヤの言葉を皆に説明した。


「見ての通りです。雪や氷の上は滑りやすいですから、打撃で攻撃すると大きく後方へと滑り飛ばされてしまうんです」


 地面との摩擦が少なくなり、踏ん張りが効きにくくなる影響だ。

 特に、氷の上は滑りやすい。こういう戦い方ができるよう、事前にディロンとシャラに頼んで、防壁の周囲をとても滑らかな『氷の地面』にしてもらったのだ。


「ミノタウロスは、初撃が遅いモンスターですからね.。初撃が早い『牛機VID-60(ヴィドシックスティ)』を使えば、先制攻撃で後ろに突き飛ばしてしまえるんです」


 モンスターによって、『初撃』の出の速さは違う。

 たとえば機甲系の最上級モンスター『鎚機SLOG-333(スロッグデルタ)』は、伝承系の上級モンスター『ヴァルキリー』より初撃が早い。逆に冒涜系の最上級モンスター『黒い仔山羊(ダーク・ヤング)』は、ヴァルキリーより初撃が遅い。


「なので、氷の上で接近戦をする時は、打撃攻撃モンスターを主体に戦うとちょうどいいんです。それも、ステータス表にも乗せた『初撃』が早いモンスターがいいですね」

「じゃあ初撃が遅いモンスターは、使いどころがないの?」


 集落民の一人が問いかけてきた。

 しかしテオは首を横に振る。


「そんなことはありませんよ。たとえば……【送還(バウンス)】【ゲンブ】召喚」


 テオは牛機VID-60(ヴィドシックスティ)を消し去り、代わりにリクガメのようなモンスターを召喚した。

 伝承系の中級モンスター、ゲンブ。見ての通り防御型で、初撃はミノタウロスよりも遅い。


「【強制隠密(コンペルド・ハイド)】、【待て】」


 テオはさらに、ゲンブに魔法をかけた。

 攻撃モーション中でない限り敵モンスターに感知されなくなる、という補助魔法だ。


「ほら、こうすればミノタウロスは、この防衛機構の入口に向かっていって……」


 テオの――正確にはマナヤの言葉の通り、敵ミノタウロスはゲンブから目を逸らした。

 ずんずんと歩いていく先は、防衛機構の入口。その脇に構えていたゲンブの目の前を通り過ぎようとして――


 ――ズンッ


 ゲンブの頭突きを受けた。

 側面から突かれた形になったミノタウロスは、防衛機構入口から真横へと吹き飛ばされて行ってしまう。


「こんな感じです。強制隠密(コンペルド・ハイド)をかければ、接近するまで敵に無視されますからね。こうやって、ほぼ必ず先制攻撃が取れるようになるんです」


 テオの説明に、集落民の皆は感心したような顔になっていた。


「この他にも、敵から『攻撃されにくい』モンスターを使う手もありますよ。皆さんのうち、『ストラングラーヴァイン』か『撃機VANE-7(ヴェインセヴン)』を持ってる人はいませんか?」

「あ、ストラングラーヴァインならオレが」

「あたしもVANE-7(ヴェインセヴン)なら」


 何名かが手を挙げ始める。

 ストラングラーヴァインとは、蔦の塊のような精霊系モンスターだ。撃機VANE-7(ヴェインセヴン)は、回転翼によって上空をホバリングし、真下にいる敵へ回転衝角で体当たりする機甲系モンスターのこと。


 テオはマナヤの説明を聞き、頷いてそれをそっくり繰り返す。


「ストラングラーヴァインは、『強制隠密(コンペルド・ハイド)』と同じ効果を素で持ってますからね。敵の通り道に配置しておけば同じ効果が期待できます。撃機VANE-7(ヴェインセヴン)も空中から攻撃できますから、基本は同じですね。対空攻撃できる敵にだけ注意が必要ですが」


 どちらも希少なモンスターだが、上級モンスターよりは手に入れやすい方だ。


「ある意味最強なのは、雪や氷の上での『フライング・ポリプ』なんですけどね。竜巻で敵を吸い込みつつ、勢い余って大きく敵を吹き飛ばすことができます。打撃モンスターの攻撃とは比較になりませんよ」


 言いながらテオは、少し赤面してしまう。


(そ、そういえば、僕が自分でやったことだね)

 ――あー、そういやお前も言ってたな。


 商人ウォースの商隊を助けた時のことだ。

 テオはフライング・ポリプを召喚したのだが、周囲の敵モンスターを一気に吸い込み、一瞬で散り散りにしていた。雪上で敵を吹き飛ばし翻弄する、という点では、他の追随を許さないモンスターだ。


 説明している間にも、ゲンブと敵ミノタウロスは戦っていた。

 そのうち、破裂音が響く。振り向けば、ゲンブの頭突きを食らって敵ミノタウロスが霧散し、瘴気紋に還っていた。


 ――ほらテオ、封印だ。

「【封印(コンファインメント)】」


 テオはその瘴気紋をすぐに封印。

 先ほどの牛機VID-60(ヴィドシックスティ)もそうだが、ゲンブにはかすり傷一つない。打撃に弱いゲンブは本来、ミノタウロスとは相性が悪いはずなのだ。


「……といった感じで、モンスターの相性差に関係なく、敵を一方的に倒してしまえるんです。雪上で、打撃攻撃モンスター。うまく使って防衛してください」


 ほう、と集落民が感心のため息をついている。

 テオもまた、胸をなでおろした。


(よかった、ちゃんとできたみたいだね)

 ――上出来だよ、テオ。言ったろ、指示通り動けば大丈夫だ、ってよ。

(うん。ありがとう、マナヤ)


 マナヤの賞賛に、テオも素直に頷いた。

 と、その時。


「――テオさーん! ちょっと来てくれ!」


 集落の奥から、声が。

 皆がそちらへと注目する。テオはすぐに防衛施設の上を壁上伝いに駆け、防壁の上へと戻った。


「どうされましたか!」

「ああ、そこにいたか! すぐに降りてきてくれ!」


 息を切らしながら男が叫んでいた。

 テオはすぐに、階段を下りて集落の中へと戻る。


「なにがあったんです?」

「黒魔導師さんと白魔導師さんが呼んでるんだ。なんだかわからないけど、緊急事態だってよ」

「ディロンさんとテナイアさんが?」


 あの二人はたしか、ランシックの元へ経過報告に行っていたはずだ。


「わかりました、すぐ行きます。お二人は門の前に?」

「ああ」


 テオはすぐ頷き、門の方向へと駆け出した。



 ◆◆◆



「ディロンさん、テナイアさん!」

「テオか」


 門よりもだいぶ手前。

 ディロンが、やや顔をしかめながらもテオを迎えてきた。隣には難しい顔のテナイアも立っている。


「あの、緊急事態って聞きましたけど、なにがあったんですか?」

「ああ。マナヤは起きているか?」

「あ、はい。起きてます。替わりましょうか?」

「いや、いい。聞こえているというなら問題はない」


 ディロンは小さくため息をつく。

 何か焦っているようだ。落ち着かせるように、不安顔のテナイアがそっと彼の肩に手を置く。


 一息ついたディロンは、より一層眉間にしわを寄せた。


「召喚師解放同盟の動きをとらえた」

「え?」

「この領内、南西の村の一つだ。召喚師解放同盟によって、子ども以外の全員が抹殺されたらしい」


 テオもマナヤも、息を呑んだ。


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