新米魔王ちゃんの戦紀伝
何か思いついたので書いただけです
あの日の出来事は今だ鮮明に覚えている。
父である……正直父と呼びたくはないが。父である魔王ゼフィラスが異世界から召喚された勇者アイト・ユウキノに殺された日。
「これで最後だ!!魔王ォォォーー!!!」
「勇者キサマァァァァ!!グアァアアアアア!!!」
私はあいつが嫌いだ。あいつもさして私への興味が無かったと思う。無意味に生き物を襲い国を滅ぼし気に入った生き物は性別種族問わず己の玩具にした。悪行の限りを尽くし世界全土を支配下に納めた史上最低最悪の魔王それが魔王ゼフィラス。だから正直いい気味だと思った。
私は宝物庫に保管されていた存在透過の指輪を着けてあいつの醜態を笑い来たがこのまま此処にいると危なそうなので
長年を掛けて作った秘密の抜け穴を通りこっそり城の外へと逃亡。
海越え山越え数ヶ月なんとか逃げ果せて遥か西の大陸の片隅にある辺境の村に落ち延びたのだ。……だというのに。
「カラミティア様、ゼフィラス様亡き後最早貴方様しか魔王を継げる者おりませぬ。どうか…!」
こいつは元私の世話係。何故ここが分かったのか知らないがソレは一旦置いておくとしよう。
で、必死に懇願して来るが無理なものは無理なんだ!。だって!。
「勇者になんか勝てっこないって!!あいつあいつ実力だけは神様すら上回ってたんだよ?!そんなあいつを仲間の協力があったとはいえ討伐した勇者に私なんかが勝てるわけ無いよ!!精々その日の服を汚してウザがられて剣の風圧だけで木っ端微塵に消し飛ばされるだけだよ!!」
私は魔王の娘とは思えぬ程に弱いのだそれこそ最下級モンスターに瞬殺される位には。
「大体、今更別の魔王が出てきた所で力ある者にしか従わない魔族が纏まる分け無いでしょ!!あれはムカつくけどあいつだから出来たことじゃん!!ムカつくけど!!」
「そうは言われましてもな。新たな勇者も召喚され魔族殲滅計画が進んできておりますこの辺境の地と言えど何れは貴方様も……故に戦うしかないのです!!」
「その戦う力が無いんです!!」
「戦う力が無いのであらば従える力を使うのです!」
「はぁ?従える力?」
「は。代々魔王という者は魔物を従える力を持って産まれてきます。それは様々な形で強さ或いは魅力、統率力等それらがきっと貴方様にも必ず備わっている筈です!…多分」
「其処はせめて自信持って言えよ!!何で曖昧な言葉ばっかなんだよ!!」
「それは〜……その〜……ここまで弱いとか前代未聞だし〜……的な?」
「弱くて悪ぅござんしたね!!」
それにしても魔物を従える能力…か。
私にあるのかなそんなの?。
まあ兎にも角にも、生き延びるために魔物を集めるしか、無い!ってこと。
はぁ〜……ここで平和に暮らせるならそれで良かったのに。………あぁ……本当にやだぁ〜…!。勇者怖いぃ〜…!……でもやるしかないんだよなぁ〜…。はぁ……。
「で、魔物を集めるにしたってどうすりゃいいのよ?」
「はい、ではこれをどうぞ。」
ん、紙?。なになに……。
氷雪火山の岩魔神、バラの湖に住む微睡みの人魚、クラストの塔の頂上に居ると言われる風竜人、雷鳴響く平原の生きる雷球。
ふむふむ…。いや。
「候補の魔物もそうなんだけどやり方は?」
「………ぶっつけ本番で!」
わぁ〜、いい笑顔!ぶん殴りたいね!。
まあこいつより弱いんですけどね私!。
…ホント、誰かたすけてぇぇぇーーっ!!!。
こうして新米魔王カラミティアの魔物集めの旅が始まった。その先に待つ混沌を知りもしないで。
「所で何で私の居所が分かったの?存在透過の指輪もしてたのに」
「ずっと匂いで追いかけておりましたから」
「…へ、変態ストーカー?!」バシッ!
「グハァ!!?」
「あ、何か倒せた」
続かない