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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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婚約者が浮気していました、自室に女を連れ込んでいたのです。これはさすがに意見を言わずにはいられません。

「エリック、浮気していたのね!」


 婚約者である彼の浮気が発覚した。

 彼は自室に私ではない女を連れ込んでいたのだ。


「何だようるせぇな」

「女を連れ込むなんてさすがに酷いわ。しかも薄着させて……」

「薄着くらいいいだろ! 全裸じゃないんだから!」

「男女で密室で、なんて……さすがに問題だと思うわ」


 これには黙っていられなくて。


「こんなのは裏切りよ!」


 そう主張すると。


「あ、そ。じゃあいいわ。お前なんかもう要らね。婚約は破棄するから」


 はっきりそう言われてしまった。


 エリックにとって私は大切な存在ではなかったのか。婚約しているというのに、所詮その程度だったのか。少し責められただけで要らないと言えるような。彼の中の私の価値はその程度でしかなかった。


「……もういいわ。さよなら」


 私たちには共に歩む未来はなかった。


 きっとこれが定めだったのだ。

 私たちが行く未来にはこれより先はなかったのだろう。


 それは、大雨によって崖崩れが起こるようなもの。


 ある意味それは絶対的な定め。



 ◆



 あの後私には良縁が舞い込んできた。

 父が営む会社の取引先の人、その息子さんから、私と一度会ってみたいという話が出てきたのである。


 それで一度会ってみることになった。


 すべてはそこから始まって。

 一度会ったその時に意外と気が合ったということもあって、私たちはもう一回もう一回と顔を合わせるようになっていった。

 もちろん自分たちの意思である。

 当然私もだが、彼の方も、会って話をすることを積極的に望んでくれていた。


 その果てで、私たちは結ばれた。


 ちなみにエリックはというと。

 あの浮気相手の女性と深い仲に発展していたようだが、その後回復させることが難しい病をもらってしまい、それによって結婚はできないこととなってしまったそうだ。

 また、エリックは、その病によって徐々に衰弱。

 移されたことが判明した日から半年も経たず、彼は自宅のベッドにてこの世を去った。



◆終わり◆

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