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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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婚約破棄を告げられましたが、その日の晩、世界が滅びまして……? ~生まれ変われば幸せでした~

 婚約破棄を告げられた。


 仲良くやれていると思っていた婚約者ルッツから。


『お前とはもう終わりだ、婚約は破棄する、さよなら。きっともう二度と会うことはない。ああそうだ、未練があるからって寄ってくるなよな。もうこれで他人になるんだからな』


 そんなことを急に言われて。


 正直悲しさはあった。だって不仲になっているとは思っていなかったから。それなりに順調に進んでいると思っていたのだ。


 ……でもそれは間違いだった。


 とはいえ、言われてしまった以上もう仕方ない。


 ルッツとの縁はここまでだったのだろう。


 その日の晩、自室で泣いていたら、突如轟音が響く。


「え……?」


 ――そして、世界は終わった。



 ◆



 生まれ変わった私は良い結婚ができて幸せになれた。


「これ外に出してきてもらってもいい?」

「うんいいよ」


 夫は幼馴染み。

 子どもの頃から一緒に遊んでいた仲である。


 幼馴染みからの結婚、となると、どうしても刺激少なめになってしまいそうなものだ。けれども私たちはそれでも問題なくお互いを選んだ。恋の刺激はべつに必要なものではなかった。


 よく知る人と共にいること。

 長く親しい人と共に歩むということ。


 それが私たちの選択だった。


「出してきた!」

「ありがとう。じゃあ朝食にしましょうか」

「わーい」

「目玉焼き作ってるわ」

「好き!」

「良かった。ええと……じゃあここから、コップだけ先に持っていってくれる?」

「もちろんだよ」


 今は穏やかな幸福のただなかに在る。


「置いてきたよ」

「ありがとう」

「他に手伝えることってある?」

「そうね……っと、よし。じゃ、これ。テーブルの方へ運んで?」

「はーい」

「お皿熱いかもしれないから気をつけて」

「分かった」


 この日々を大切にしよう。

 どこまでも愛おしい時間を守り続けよう。


「うわぁ、今日も良い匂いだなぁ」

「好きよね匂いが」

「うん! 好き! だってさ、塩と焼きの匂いって最高じゃない? めちゃ食欲掻き立てられるよ~」


 はじまりの心を大事に生きてゆくのだ。


「「いただきまーす!」」


 また、新しい朝が始まる。


 ……ちなみに前世ルッツであった彼はというと、今回は奴隷として生まれ怖い人たちにこき使われて生きているようだ。



◆終わり◆

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