表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/598

今日、私、結婚します。~元婚約者の彼は女性関係の問題を多発させて社会的に終わったようですよ~

 今日、私、結婚します。


「一緒に歩んでいこうね」

「ええ、もちろん。これからもよろしく。何があっても……共に行きましょう」


 これまで辛いことはたくさんありました。

 何よりも大変だったのはかつて婚約していた人に結婚直前で切り捨てられたこと。

 あの時はもう死んでしまいたいほどでした。

 心を根から捻じ曲げられ折られたかのような屈辱と苦痛が同時に襲いかかってきて……耐えられないかと思ったほどで。


 でも、あの一件があったからこそ、今日結婚する彼と出会えたのです。


 婚約破棄された日の晩、雨の中、私は家から少し離れたところにある公園のベンチに座って泣いていて――そこへ通りかかった彼が心配して声をかけてくれたのでした。


 そして二人の関係は始まりました。


「嬉しいこと、楽しいこと、たくさん見つけよう」

「ええ! もちろん!」


 ちなみに元婚約者の彼はというと既に社会的に終わってしまっています。

 今はもうかつてのような栄光を手にしてはいない。

 彼は女性関係で大きな失敗を重ね続けたために、それまで努力してきた仕事面での評判まで地に堕とすこととなったのです。


 自分が築いてきたものを自分で壊すことになるとは……悲しいことであり、また、愚かなことでもありますね。


 ですが完全に自業自得ですから。

 べつに同情してあげようなどという気持ちはありません。


 彼の人生など、もはやどうでもいいこと。


 私は私として歩んでゆくのです。

 それを邪魔することができる者などどこにもいないでしょう。


 愛せる人、信じられる人、そして、尊敬できる人。その人と手を携えて歩めるのなら、きっと、怖いことなんて何もない。私はそう思います。


 以前はそういうことはあまり考えてきませんでしたが。

 今日から夫となる彼と出会ったことで、徐々に、そんなことを思うようになっていきました。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ