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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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浮気していた婚約者が……。~幸せな未来は踊りで作れます~

 浮気していた婚約者アドラスト・フォン・エボールンが暴言に近いような言葉で侮辱してきたうえ婚約破棄宣言してきた日の夜、私は自宅付近の庭で踊ることにした。


「あっはいわっしょいあっはいほれほれ、あっはいわっしょいあっはいほれほれ、しょっこらしょっこ、しょっこらしょっこ、わっしょいわっしょいしょいしょいほいしょい、わっしょいしょ! は! あっはいわっしょいあっはいほれほれ、どっしょいほらほれ、どっこらしょ! はぁ! わっしょいわっしょ、わっしょらわっそん、わっそんそこんこわっそんそんはい、へい! は! あっはいわっしょいあっはいほれほれあっはいわっしょいあっはいほれほれどっしょらほらほらあっはいしょらしょら、うー……っ、はぃ!!」


 これは幼い頃おばあちゃんから習った踊りだ。


 足を交互に地面から浮かせるようにして弾みながら踊る。

 少々独特の動作を含むところが非常に特徴的な舞いである。


 優雅というよりかは力強いといった感じ。


「わっしょ、わっしょ、わっしょら、はい! ほい! どん! こら! どん! これ! どん! こら! しょ! は!! あっ、はい、わっ、しょい、あっはいほれほれはい! へい! よっしょらよっしょらしょっこらほいへいはい! あい! あいよっとらしょ、あい! あい!! はいへらほいへらほいととせいこらしょっとらへい!」


 また、この踊りは、この地域の伝統舞踊でもある。



 ◆



 あれから十年。


 アドラストは先月亡くなった。

 自宅から徒歩十分ほどで着く山の公園で恋人とデートしていたところ落石がありそれに巻き込まれてこの世を去ってしまったのだとか。


 落石に巻き込まれてこと自体は気の毒ではあるのだが……しかしながら、彼が痛い目に遭ったとしても、可哀想だと思うことはできない。


 なぜなら彼はかつて私を傷つけた人だからだ。


 浮気したうえ、逆ギレし、しまいには侮辱の言葉と共に婚約破棄宣言までしてきたような人だ――そんな人にまで優しい気持ちを持つことはできない。


 彼は不幸な最期を迎えてしまったのだった。


 一方私はというと、今は、あの伝統舞踊の踊り手として国内外問わず活躍している。


 あの時は想像しなかった今がここに在る。

 そしてそれはとても輝かしいものであった。


 自分の踊りが多くの人に評価されるというのはとても嬉しいことだし、踊っている姿を見て「感動した」とか「生命の偉大さを感じた」とか言ってもらえることもとてもとても喜ばしいことだ。


 なので私はこれからもこの道を行くつもりである。



◆終わり◆

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