表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

584/598

婚約していた隣国の王子は侍女との恋を選び私との関係を切り捨てました。~そしてその後彼の身は亡ぶこととなりました~

 隣国の王子エルデオ・フォンド・マッシュルーミングと婚約していたのだけれど、エルデオは私を裏切った。


 というのも、彼は、侍女である女性ミリアと恋仲になったのだ。


 しかも恋仲になっただけではない。


 それと同時進行するように彼は私の悪口を周囲に言い広めていた。

 当然その八割以上が作り話である。


 作り話で名誉を傷つけられることにはさすがに納得できないのでエルデオにそのことについて話をしてみたのだが。すると彼は急に激しく怒り出した。俺を信じられないのか、なんて言い出す始末で。激怒した彼は散々心ない言葉を吐き出し、その果てに、婚約破棄などと言い出した。


「お前みたいな女、この国には要らん!!」


 彼は攻撃的に吐き捨てる。


 そしてさらに加えたのだ――もう二度と会わない、悪女は俺の前に現れるな――そんな滅茶苦茶なことを。


 こうして私たちの関係は終わりを迎えてしまったのだった。




 一連の話を耳にした父は激怒した。


 ちなみに父は我が国の王である。


「我が娘になんということを許さぬぞ!!」


 父はエルデオの国へエルデオの引き渡しを要請する。しかし国はそれを拒否。となると道は他になく。父は彼の国に攻め込むことを決めた。民を傷つけるためではない、エルデオを捕らえるための侵攻だ。戦えば当然犠牲は出てしまうだろうがある意味それは単なる不運として捉えて。父は民を殺めることを望んではいなかったけれど、だからといって容赦もしなかった。


 ――そしてついに捕らえられるエルデオ。


 彼はミリアと二人でいたところを拘束された。


 エルデオは泣きながら「俺は悪くないんだ! ミリアにそそのかされただけなんだ! 俺だって被害者なんだよ、どうか、どうか分かってくれ! 俺は悪くないんだ!」などと懸命に訴えた、が、今さらそんなことを言っても無駄だった。


 拘束から一ヶ月も経たないうちにエルデオは処刑されることとなる。


 また、彼と同時に捕らえられていたミリアは拷問刑に処され、牢屋の中で苦痛を与えられ続けることとなった。



 ◆



 エルデオの処刑から数年、私は大国の王子と結婚し幸せになった。


 彼と共に歩む道はまだ始まったばかり。


 けれど希望を見つめることができている。


 エルデオとのことは色々あって大変だった。が、それを越えて良き人と出会えた。だからきっとこれまでのすべての経験は無駄ではなかったのだと思う。


 どんな出来事も前向きに捉えられたなら、きっといつかは幸せになれると信じている。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ