577/598
好き好き好き
詩のような作品です。
好き好き好き
止まらない感情
あの頃は確かにわたしも
抱えていた
抱いていた
そうよ
あの頃のわたしは
あなたのこと何よりも大切で
愛しくて
絶対に手放したくない
そんな風に思うほどに
あなたのことを愛していたの
もう絶対に離さないわ
そんな重苦しい言葉さえ
平気で発してしまえるような
そんなわたし
呆れるけれど
そんなわたし
馬鹿みたいだけれど
面白いものね
今では笑い話
あの頃のわたしはもういない
消えてしまったの
わたしはここにいても
過去のわたしはもう
ここにはいない
いいえ
どこにもいない
あの時代にさえ
きっと残ってはいないでしょう
あるとすれば
それは残り香ね
好き好き好き
止まらない感情
あの頃は確かにわたしも……




