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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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可愛らしさがないからと婚約破棄されましたが後に結婚できました。〜社会貢献しつつ生きます〜

「君との婚約は破棄とすることにした! なぜなら、君は可愛らしさがないからだ!」


 婚約者サーシィエンはいきなりそんな宣言をしてきた。

 なんてことのない秋の日の昼下がりのことである。


「え……婚約破棄、ですか?」

「ああそうだ!」


 いきなりのことに困惑してしまったけれど。


「可愛らしさがない、って……そんなことで婚約破棄なさるのですか?」

「そうだ!」


 彼の振る舞い、その口から出る言葉に、段々彼への感情が薄れてゆく。


「当たり前だろう! 可愛らしさというのは大切だ。女性なら特にな。女性の存在意義とら可愛らしいことだけだろう!」


 ……きっともう彼を愛せない。


「なので、婚約破棄は絶対だ」


 こうして私たち二人の関係は終わった。


 平凡な秋に。



 ◆



 婚約破棄から数ヶ月、サーシィエンの訃報が届いた。

 彼は事故で落命したようだ。

 結婚しようと考えている相手である女性と出掛けるために路上で待機していたところ暴走馬車に突っ込まれるという事故だったらしい。


 事故に巻き込まれるというのは不運だと思うし、気の毒ではあるけれど……でも、正直、可哀想とは思わない。


 彼がどうなろうがどうでもいい。



 ◆



 あれから一年半。

 そろそろ夏が訪れるという頃に私はめでたく結婚した。


 結婚相手は親戚の知り合いからの紹介で知り合うこととなった貴族の男性。彼は高貴な生まれでありながら慎ましさのある上品な人。そしてどんな時も思いやりと優しさを忘れない人だ。


 そんな彼と結婚できたおかげで、今はとても幸せに暮らせている。


 また、保護動物のお世話をする活動も夫婦で行っていて、そのため毎日若干忙しくなってしまってはいる。が、それもまた楽しみとなっていることも事実だ。たくさんの生き物と触れ合うことは大変なことではあるけれど、心通った時にはとても嬉しいし達成感が芽生える。なのでその活動はこれからも続けてゆきたいと思っている。



◆終わり◆

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