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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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婚約破棄された晩にある能力が覚醒し、それによって私は――。~ハッピーエンドへの道~

「君との婚約だが破棄とすることにした」


 婚約者ロバームがある日突然そんなことを宣言してきた。


 あまりにも唐突なことだった。

 なのでただただ戸惑いしかなくて。


「え……」


 すぐに発せたのはそんな言葉にすらならない声だけであった。


「俺はより高みを目指したい。君よりももっと素晴らしい女性と結婚したいんだ。君と婚約した時には少々投げやりになっていて、妥協してもいいかと思ってしまっていたのだが、やはり納得できなくなってきたんだ。ということで、君との婚約は破棄とすることにした」


 ロバームは最後まで一息で言いきった。


「だから、さよなら」



 ◆



 婚約破棄された晩『出会った猫を絶対に虜にする』能力が覚醒したために猫を愛する国王が治める国の王子から結婚してほしいと頼まれ、私はそれに応じた。


 そうして私は一国の王子の妻となったのだった。


 私の悪口を言う者はもういない。

 今や私は愛される対象となっているのだ。


 ゆえに悪意を向けられることはない。


 生まれ育った国を出ることにはなってしまったけれど、日常は幸せに満ちたものなので、この道を選んだことを後悔することはこの先もきっと一生ないと思う。


 ちなみにロバームはあの後熱心に婚活していたようだが希望条件がハイレベルなもの過ぎたために相手が見つからずやがてそれを苦にして自ら命を絶ってしまったそうだ。


 彼は自分の価値を正しく把握できていなかったのかもしれない。


 だからこそ条件の合う相手に巡り会えなかったのだろう。



◆終わり◆

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