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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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婚約者がいるのに何人もの女と深い仲になる男なんて、あり得ません! ~彼がどんな目に遭おうとも自業自得ですよ~

 かつて私には婚約者がいた。


 その人物の名はオッペリオス。

 美男子だがプライドが高すぎて扱いづらくどうしようもないくらい正確に難のある人であった。


 彼は何人もの女と深い仲になっていた。


 婚約者がいるにもかかわらず、である。


 しかしそういう自分の行いを悪いとはまったくもって思っていないようで。婚約者である私に対しても隠そうとさえせず。婚約者の目前であっても堂々と他の女といちゃつき肌を触れ合わせるほどであった。


 で、ある時耐え切れなくなりそのことについて意見を言ったのだが、それによって激怒した彼は一方的に婚約破棄を言いわたしてきた。


 彼はどうしてあんな人間になってしまったのだろう?


 今でも不思議に思う瞬間がある。


 考えても答えは出ないのだけれど。

 彼があんな風になったのには何か理由があるはずだが私の脳ではその理由は導き出せない。


 甘やかされて育ったから?

 美男子で女が寄ってくるから?


 ……考えてみても答えなんて出るはずもなく。


 でももう意味のないことだ、彼について考えるのは――だって彼はもうこの世を去っているから。


 そう、オッペリオスは死んだのだ。


 そこに至った経緯を簡単に説明すると。


 オッペリオスは私との婚約を破棄した直後酒場で一人の巨乳かつ美しい女性と出会った。で、一瞬で惚れてしまった彼は、すぐにその女性へのアプローチを開始する。女性はつれなかったがそれでも諦めず追い掛け回し続けた。


 しかしその女性の父親がマフィアのボスだったことで、オッペリオスは地獄へ堕とされることとなる。


 オッペリオスがあまりにしつこいので、女性は父親に「男に追い掛け回されて困っている」と話をした。それによって父親は激怒。マフィアのボスである父親に目をつけられたオッペリオスは、ある晩酒場を出たところで拘束され、そのまま誘拐されてしまった。


 捕らえられたオッペリオスは罰の意味も兼ねて散々拷問のようなことをされ、その果てに死亡した。


 亡骸が見つかったのは死後数週間経ってからだったそうだ。


 そんな感じで、オッペリオスはこの世を去った。


 あまりにも残酷で悲しい最期。

 けれども自業自得の色もかなり強い。


 それに、彼がどうなろうとも、私からすればざまぁみろでしかないのだ。


 だって彼はかつて私を傷つけていた。


 それも何度も。

 しかも短時間でもなく。


 そんな彼が不幸な最期を迎えたところで、可哀想とも何とも思わないのだ。


 単に、やってきたことが返ってきただけとしか思えない。


 ちなみに私はというと、今とても良い感じになっている相手がいる。

 父の紹介で知り合った人なのだけれど、彼とは色々な面で話が合うから一緒にいるととても楽しい。


 私は彼との未来を想像しているところだ。


 一度は途絶えてしまった道。

 けれども新しい道を行くならそこにはきっと希望だってあるはず。


 だから大丈夫。

 私はまだ止まらない。


 どこまでも歩んでゆける。



◆終わり◆

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