婚約者が浮気していました。しかもその浮気相手というのが……。
婚約者ロレーヌが浮気していた。
しかも浮気相手は私の友人であるリネ。
彼女はことあるごとに私の悪口を彼に吹き込んでおり、ゆえに、ロレーヌの中の私のイメージはいつの間にか最低最悪なものになっていた。
そして。
「悪いが君とはもうやっていけない。よって、婚約は破棄とする」
しまいにロレーヌからそんな宣言をされてしまった。
「君はリネをずっと虐めていたそうじゃないか。最悪だな。悪女だな。その話を聞き、がっかりしたよ」
「間違いです!」
「間違い? リネが嘘をついていると? 呆れた。やはり悪女だ」
こうして私は理不尽に婚約破棄されてしまったのだった。
なんてことのない、平凡な春の日の出来事である。
◆
あの後、ロレーヌはリネと婚約したのだが、婚約期間中にリネが他の男とも親しくしていることが判明したためにその婚約も破棄となったようだ。
ロレーヌはリネに対して激怒していたらしい。
また、そこからロレーヌは段々心を病んでいったようで、いつしか彼は家から出られないようになってしまったようである。
ロレーヌに幸せな未来はなかった。
また、リネもその後、怪しい男と関わりを持ったがために身を滅ぼすこととなっていったようである。
一方私はというとおっとりした男性と結婚。
穏やかな家庭を築くことができた。
◆終わり◆




