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身勝手に婚約破棄してくるような人には、天罰を下してしまいましょう。

「貴様との婚約なんぞ、もうどうでもいいわ。破棄だ!!」


 幼馴染みで婚約者であった同じ年齢の彼アドルミッディオ・フォース・アソシエラ・エンヴェリオティッツォレロノーロは何の前触れもなくそんなことを告げてきた。


「婚約破棄、ってこと?」

「ああそういうことだ」

「ええっ、そんな急に? あまりにも急すぎない? 大丈夫?」

「何だよその言い方」

「いきなり過ぎて戸惑うわ……」


 アドルミッディオは「もういいだろ、じゃあなばいばい」と言ってそのまま話を終わらせた。


 許せない……。

 まともな説明もせずに……。


 私は覚悟を決める。


 彼を許さない、罰を下す、と。



 ◆



「あっほいしょっほいとれとれほいしょら!」


 早速始めよう。

 天罰を下すための舞いを。


「しぃしぃしぃしぃほらほら、しょっこれほほほほ! ほほっほっほほら! はいっとほらほら! のろのろのろいのじゅじゅじゅじゅじゅ! アドルミッディオアドルミッディオアドルミッディオあどるどるどるどるどるアドルミッディオアドルミッディオアドルミッディオアドルミッディオアドルミッディオ」


 元気に歌いながら舞う。

 それこそが呪術。

 この町に伝わる伝説の秘術だ。


「あ! ほい! ほ! しょら! あ! ほら! ほら! しょしょ! しょ! しょ! しょ! ら! ほい! らら! しょ! しょらら! しょらしょん! しょい! しょら! あ! ほい! ほ! しょら! ほほほい! ほい! らら! しょら! ほい! あ! あ! あああ! ら! ほ! らら! ほい! らら! ほら! あ! ほい!」


 誰にでもできるものではない。


 けれども私の母はこれができた。

 そして私もその母から教わったので舞える。


「はいしょら! はいよれ! ほほほのほ! うん!はいしょら! はいよれ! ほほほのほ! うん! あい! とら! あい! ほれ! といといとあれれ! はいしょら! ほいほい! ほいよれ! とららら! へい! う! ほ!」


 時間はかかるが効果も絶大、と聞いている。


「しぃしぃしぃしぃほらほら、しょっこれほほほほ! ほほっほっほほら! はいっとほらほら! のろのろのろいのじゅじゅじゅじゅじゅ! てぃらてぃらてぃららすみすみみすみすみすてぃらみすすすすすらみてぃてぃてぃ! ほい! しぃしぃしぃしぃほっほらほ~ら~、しょっこれほほほほ! ほほっほっほ~ほら! はいっとほらほら! のろのろのろいのじゅじゅじゅじゅじゅ!」


 そうして舞った翌日。

 アドルミッディオは自宅で昼寝していたそうなのだが、そこに大量の熊が侵入してきて、熊たちに襲われ死亡したそうだ。


 やはり、あの舞いには意味があったのだ。


 効果は絶大。

 その話は嘘ではなかったようだ。



◆終わり◆

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