表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

481/598

婚約者ヴィヴィオスは裏切りました。~婚約破棄は受け入れますが社会的に終わっていただきます~

 婚約者ヴィヴィオスと婚約したのは春の日だった。


 学園を卒業する時期に彼の方から想いを告げられて。

 そこから関係が始まった。

 そしてある程度時が流れて結婚する方向で決まり婚約したのである。


 ――だがヴィヴィオスは裏切った。


 彼は婚約後間もなく浮気を始めたのだ。

 職場の同僚である女性と。


 彼の気持ちが冷めていくのを感じながら私は寂しさを覚えていた。


 けれどもどうしようもなくて。


 ――そして、ついに。


「ごめん、婚約破棄するわ」


 そんなことを告げられてしまう。


「え……」

「別の女性を好きになってしまったんだ、ごめんな」


 彼はさらりとそんなことを言い私を切り捨てた。


 なんということだろう。

 あまりにも呆気ない関係の終わり。


「好きになった女性って、もしかして、あの浮気相手の女性のことですか?」


 仕方がないのでそれ自体は受け入れる。

 しかし黙って去って差し上げる気はない。


「なっ……何を言い出すんだ急に」

「以前から親しくされている女性がいること、知っていました」

「は? 馬鹿じゃないか。何を言っているのか意味が分からない」

「ですが浮気していましたよね?」

「ふ、ふざけるな! 馬鹿な女! 他人を侮辱するなど最低だぞ!」


 ……実は前もって証拠を幾つか押さえてあるのだ。


「侮辱ではありません」

「なら証拠を出せ!」

「そうですね、ではこれを」


 取り敢えず二人のいちゃつきの写真でも出そうか……。


「はああ!? なぜそんなものを!?」

「証拠を出せ、そう言われると思って前もって準備していました」


 彼に縋りつく気はない。

 なんせヴィヴィオスなんてもうどうでもいいから。


 ただ、好き放題は許さない。


「これらを公開します」


 言えば、急に焦り出すヴィヴィオス。


「な、なぜ! やめろ! やめろよそんなこと! 盗撮だろ? 犯罪だ! 犯罪でしかない! ふざけるな! やめろ!」

「……言える立場ですか?」

「やめろやめろやめろってやめろやめろすぐにやめろやめろやめろやめろやめろってやめろってやめろふざけるなやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ!!」


 焦り過ぎたヴィヴィオスは壊れてしまい。


「今すぐやめろ! やめろ! 今すぐ! すぐに! すぐにすぐにすぐにやめろやめろってやめろすぐにすぐに速やかにやめろ今すぐやめろやめろってばやめろやめろってすぐにすぐにすぐに今すぐ今すぐやめろやめろやめろって! やめろそういうのやめろってやめろ!」


 同じようなことしか言えない状態になってしまった。


「ふざけるなやめろ今すぐやめろやめろやめろってすぐやめろすぐにやめろすぐやめろってふざけるんじゃないやめろやめろやめろやめろやめろってやめろやめろって言ってんだろやめろって言ってんだろがふざけるなよふざけるなやめろやめろやめろやめろやめろふざけやがってやめろやめろやめろさいてーだろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ!!」



 ◆



 婚約者がいる身で他の女性にも手を出していた、という話を広く世に公開されたことによって、ヴィヴィオスは社会的に終わった。


 彼が仕事で最も世話になっていたおじいさんはかつて妻に浮気されたうえ捨てられた人で――ゆえに浮気には厳しく――その人に関係を断たれたことで大きな仕事を失うこととなったヴィヴィオスは社内での地位を一気に失うこととなった。


 もちろん周りからも冷ややかな目を向けられることとなる。


 ……もはや彼に居場所はない。


 そうしていつしか仕事に行かなくなったヴィヴィオスは、自宅にこもり、ある晩急に倒れて独り亡くなっていったそうだ。



 ◆



 あの後、元々ちょっとした趣味だった写真撮影に打ち込むようになった私は、写真の世界で大成した。


 今や世界中に名を知られる撮影者となっている。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ