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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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彼はかつて女性に辛い思いをさせられたようですが……今は私と共に幸せに暮らしています。

「ねぇローゼリア、僕のこと今日も好きかい?」

「ええもちろんよ」

「これからもずっと好きでいてくれる?」

「そのつもりよ」


 我が夫タックは穏やかで良い人なのだが、女性関係においてあるトラウマがある。


 そのため彼はいつも不安を抱えている。

 もしかしたら愛されなくなっているのではないか、といった不安を。


 日常の中の彼は基本的にまったりとした明るさのある人物。けれどもその胸の奥には暗雲がたちこめている領域もあって。それは過去の辛い思い出によってできたもので。それはたびたびひょっこりと顔を出してくる。


「そのつもり、って……本当?」

「ええ」

「そっか。……ごめんね、いつも同じことばかり聞いて」

「いいわよ」


 でも私はそんなところも含めてタックを想っている。

 だから何度も尋ねられても苦痛ではない。


 問われれば本当のことを答える、それだけだ。


「つい不安になってしまうんだ」

「不安が強い?」


 タックにはかつて婚約者がいた。

 けれどもその女性に彼は捨てられてしまったのだ。


 しかも向こうが浮気したうえでの婚約破棄であった。


 その一件において、二人はかなり揉めたようだ。

 で、その時から、彼は女性に対して不安と恐ろしさを抱えるようになったようなのだ。


 私が彼に出会ったのはその件が解決した少し後のタイミングであった。


「……ずっとではないんだけど」


 結婚するまで色々あった。

 彼のメンタル的な意味で苦労する時もあった。


 でも二人で乗り越えてきたから。


「お茶でも淹れてこようか? 温かいものでも飲んだら少しは落ち着くかもしれないわ」


 だから私たちの絆は固い。


「そんな! いいよ! 手を煩わせるのは申し訳ないよ」

「でも……不安なままでいるのも辛いでしょう?」

「ううん、答えだけでいいよ。もう大丈夫。ローゼリアのことは信じているしね」


 私たちは共に歩む。

 この関係は確かなものだ。


 ……そうよ、誰にも壊させはしない。



◆終わり◆

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