悲しくはないですが残念です。~可愛くなさに呆れた、とのことで、婚約破棄を告げられました~
「お前の可愛くなさには呆れた。よって、婚約は破棄とする」
意味不明な理由で婚約破棄されてしまった。
婚約者ルドールは女性人気の高い男性。
ゆえにそんな彼から想いを告げられた時には戸惑った。が、それでも真っ直ぐに想いを告げられたことは嬉しくて。それで彼の想いを受け入れることにして、婚約をした。
だがそれが間違いだった。
ルドールは婚約するまではとても良い人だったのだけれど、婚約した途端冷ややかな人に豹変。
以降、私たちの間に絆は生まれなかった。
ルドールの周りにいる女性たちはいつも私を冷たい目で見てくるし「相応しくないのよ、あんたなんて」とか「あんたなんて本気で相手にされてないのよ、形だけの婚約者ね」とか言って馬鹿にしたように嗤ってくる。
そんなだから、ルドールの婚約者である日々は苦痛ばかりだった。
……なので婚約破棄されてもそれほどショックではない。
「そうですか。残念です。ですが……分かりました、受け入れます。今までありがとうございました」
◆
あれから数日。
雨降りの晩、ルドールが住む家に雷が落ち、それによってルドールを含む一家ほぼ全員が亡くなった。
前に少しだけ喋ったことがあって良い人だった末っ子――ルドールの妹――その人だけはたまたま外出していて巻き込まれず命拾いしたそうだが。
それについては、良かった、と心から思う。
彼女にだけは悪い印象を抱いてはいなかったのだ。
悪人ではない彼女まで巻き込まれていたらそれは少し心が痛むところだった。
なので彼女に関しては生き延びてくれていて良かった。
◆終わり◆




