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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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会うたびにちくちくと嫌みを言ってくる婚約者から解放されて嬉しいです。

 私には二つ年上の婚約者がいたのだが、彼は会うたびにちくちくと嫌みを言ってくる人で、それゆえ顔を思い出すことさえ嫌に感じるくらい嫌いな人だった。


 そんな彼はある日突然この世を去った。


 彼には昔付き合っていた女性がいたそうなのだが、その女性がかなり妄想系の人であったらしく、以前から『彼、好きなのにそっけなくしてくる』なんて思い込んでいたそうで――そんな彼女に路上で襲われて、彼はこの世を去ったのだった。


 女性は彼を殺す気はなかったと言っているらしい。


 それが本当か否かはよく分からない。

 なんせ私はその女性と知り合いではないから。


 ただ、彼が亡くなったことによって私と彼の婚約は自動的に破棄となったので、思わぬ形で自由の身となることができた。


 怖い女に殺められる、なんて、恐ろしい以外の何物でもない状況だ。

 ただ、彼は心ない人でお世辞にも善良とはいえないような人だったので、そういった理不尽な目に遭ったとしても可哀想とは思わなかった。


 むしろ女性にお礼を言いたいくらいだ。


 彼女の行動によって私は彼から解放されたのだから。


 これでもう自由だ。

 何にも誰にも縛られることはない。


 そしてこれ以上嫌みを言われることもない。


 言葉でちくちくされるというのも結構なストレスだったので、それから解放されると思うとついつい笑みが浮かんでしまう。不謹慎だと言われてしまえばそれはそうなのだけれど。


 ……だがそれが今の私の正直な心なのである。



◆終わり◆

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