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わたしはもう要らないのね?
詩のような作品です。
なんてことのない朝に
過ごし慣れた家で目を覚まし
当たり前のように用意された
紅茶を飲んで
目をやった先にある空は
呆れるほど澄んでいて
まるで昨日までの悲しみなどなかったかのように
嘘を現実を信じ込みそうなほどに
またやって来る綺麗な朝
あなたは去った
わたしの前から
ああわたしはもう要らないのね?
何度繰り返しても
何度指でなぞっても
ただ悲しいことだけれど
時に苛立ちすら覚える
そんな夜を越えて
また迎えた朝は
飲み慣れた紅茶を淹れて
その香りに安堵すると同時に
あなたがいなくなってしまったこの空白を
どうやって埋めるべきか
そんなことばかり考える
それで
ただ心を満たしたくなって
甘いものを探しに行くの
棚に置いていた瓶の中には確か
金平糖みたいな何かが入っていたはず
記憶は曖昧で不確かで
それでもまた
ただ甘いものを舌でなぞりたくて
求めるままに
欲するままに
瓶のもとへ向かうの
あなたは去った
わたしの前から
ああわたしはもう要らないのね?




