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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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起床するとベッド脇になぜか婚約者が!? ~悪いことの後には良いことがあるというのは本当なのですね~

 その日、私は何だか眠くなってしまって、異様な眠気に勝てないまま眠りに落ちてしまった。


 で、翌朝、起床すると。


「おはよう」


 ベッドの脇に婚約者バロートがいて。


「え……ど、どうして」

「今日は伝えたいことがあって来たんだ」

「そ、それよりも! どうしてここにいるのよ!?」

「そんなことはどうでもいいことだよ」

「いやいやいや……」


 会話が成り立たず困っていると。


「君との婚約だけど、破棄することにしたから」


 そんな風に告げられてしまった。


「ええっ……」


 思わず漏れる声。


 だってそうだろう? 自室にいきなり現れた婚約者が婚約破棄宣言をしてくるなんて。何の前触れもなかったのに、だ。どう考えてもおかしいだろう? そんなのは。明らかに不自然ではないか。


「どうして」

「君にはもう飽きたんだ」

「ええ……」

「僕が悪いことをしたかのような目で見るのはやめてほしいな」


 いやいやいや! 悪いのは明らかに貴方でしょう!


「じゃ、そういうことだから」


 彼は冷ややかにそう言って。


「さよなら」


 去っていってしまった。


 まだ理解が追いついていない。

 でも事実は事実。

 彼から告げられた言葉が冗談だったという展開なんかはないだろうし、それはつまり婚約破棄されたのが事実だということの証明。


 私は独りになってしまうのか……。


 思わず漏れてしまう溜め息。



 ◆



 あの後実家の庭の端から石油が出たために私たち一家は大金持ちになった。


 悪いことの後には良いことがある。

 過去誰かが言った言葉だ。

 そんなものを信じている私ではなかったけれど、今は、その言葉が正しいものであることを理解している。


 そう、悪いことの後には良いことが待っているのだ。


 今は「その通り」と躊躇うことなく言える。


 一方バロートはというと、あの後、姉の夫に騙され巨額を借金を背負うこととなってしまったらしく――追い込みに追い込まれ、その果てに、自ら死をえらぶこととなってしまったそうだ。



◆終わり◆

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