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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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結婚間近だというのに、婚約者が旅に出てしまいました……。

 婚約者アンバレは結婚間近だというのに旅に出てしまった。


 何でも人生経験を深めたいとのことで出ていったのだが――実際には人生経験うんぬんなどという話ではなく、ただの浮気旅行であった。


 だが旅行先で知人からの目撃情報報告があって、真実はすぐに明るみに出ることとなった。


「アンバレ、ただの浮気旅行だったなんて残念だわ」

「誤解だよ! 彼女とは行った先でたまたま会っただけ! それでちょこっとお茶とかしただけだよ」

「嘘ね」

「どうして信じてくれないんだ!」

「目撃情報があるのよ。だから真実は既に知っているわ。お茶だけだなんて嘘、ずっとお出掛けしたうえいかがわしいところにも行っていたのでしょう」


 するとアンバレは急にビンタしてきた。


「うるせえよ!!」


 私は即座に人を呼ぶ。

 そしてアンバレを拘束させた。


「やったわね、暴力行為。もう許さない。通報します」


 そうしてアンバレは逮捕されたのだった。


 それによって婚約は破棄に。

 浮気者の彼とスムーズに離れることに成功した。


 もちろん償いのお金はしっかりと支払ってもらった――九割は本人からではなく彼の両親からだったけれど。


 でもないよりはましだ。

 貰うべきものを貰えたというだけで少しは心癒される部分がある。


 アンバレとの記憶は残念なものとなってしまったけれど、自分の人生が終わるわけではないので、まだまだここから頑張って歩んでゆこうと思う。


 必ず、明るい未来を掴んでみせる。


 一歩ずつ進もう。

 その先にこそ幸せがあると信じて。



 ◆



 あれから三年、私は幸せになれた。


 知人の紹介で出会った頭がつるつるな男性と結婚して今は毎日それなりに贅沢しながら生活できている。


 贅沢がすべてではない。それは事実だ。貧しくとも幸福の海を泳ぐ者もいることは事実。ただ、暮らしの中に様々な楽しみがあるというのは不快なことではないし、むしろ喜ばしいことだ。楽しみ、喜び、そういったものは確かに未来へ歩んでゆく活力になる。


 これからも楽しく生きよう。


 それが私の掴んだ幸せだ。



◆終わり◆

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