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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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362/598

あなたが好きだったあの絵画

詩のような作品です。

あなたが好きだったあの絵画

あなたは覚えている?

昔一緒にお出掛けした時にイベントで見たよね

展示されていた

壁に掛けられていた絵画

花畑の中に

鼻畑があってさ

あなたはとっても笑ってた

懐かしい思い出

楽しくて嬉しい思い出

くだらない笑いだったとしても

くだらない時間だったとしても

それで良かったの

だってあなたのことが好きだったから

愛していれば些細なことなんてどうでもいいもの

だから

あなたと一緒にいるだけで

すべてが煌めいて

すべてが嬉しくて

そんな感じで楽しく過ごせていたこと

あなたは気づいていたかな?

もしかしたら気づいていなかったかもしれないけど

嘘じゃなくて

本当のこと

それが決して変わらない現実だったこと

もう離れてしまって

伝えることはできないけれど

それでも伝えたい気持ち

今でもそんな感じ


あなたが好きだったあの絵画

あなたは覚えている?


きっともう

あなたは欠片ほども覚えていないんだろうなって

そんなことを思っては

あなたを想う夜も

悲しくなってしまう


仕方ないことだけれどね


あなたが好きだったあの絵画

あなたは覚えている?


それでも少しでも記憶に残してほしいって

わがままなこと言いたくなって

悲しくなって泣きそうになった夜もあったけど


仕方ないのだけどね


あなたが好きだったあの絵画

あなたは覚えている?

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