三つ年上の婚約者が浮気しましたので、罰として蝋燭に変えて燃やしきってしまいます。
三つ年上の婚約者が浮気した。
しかもそれが判明すると彼は「お前が魅力的じゃないからだろ? 仕方なく浮気したんだよ俺は。本当はしたくなかった。けどお前が女として終わってるからさ。渋々他の女と仲良くするしかなかったんだ。だからこの浮気は俺のせいじゃない。お前のせいだ」なんて言ってきた。
だから魔法を使うことにした。
――対象者の生命を蝋燭に変えて燃やしきってしまう魔法。
それは私が得意としているものだ。
「や、やめろおおおおおおお!!」
彼が察した時にはもう既に遅かった。
その姿は一本の蝋燭へと変わっていた。
「助けてええええええええ!!」
あとは燃やしてしまうだけ。
そうすれば彼の命もまた終わりを迎える。
「いやあああああああ!!」
……さようなら、永遠に。
◆
あれから十年。
私は今、蝋燭店を営んでいる。
最初こそ客が少なくて困ったこともあったが、今ではすっかり人気店となり、常連客も少なくはない。
いつも来店してくれる人たちには感謝しかない。
ありがとう。
そう伝えたい。
純粋な、感謝を。
◆終わり◆




