愛していた人を妹に盗られ、ショックで壊れそうになったのですが……奇跡の復活を果たしました! ~二人はあの世逝きとなりました~
愛していた人、婚約者だった人を、妹に盗られた。
「悪いな、俺、あんたはもう要らねぇわ」
「魅力的でごめんなさいねぇ、お姉様ぁ」
婚約者ロールスエイスは私ではなく私の妹を選んだ。
「婚約は破棄とする」
そう、彼は私を愛してはくれなかった……。
愛されている。
大事にされている。
私が信じてきたものはすべてが幻、まやかしだった。
「そんな……」
「何だようぜぇ顔しやがって。お前なんて要らねぇんだわ」
「でもっ……!」
「俺が愛してるのは妹さんだけ、彼女だけなんだよ」
こうして私の心は破壊されてしまった……。
――だが、両親からのサポートもあって、徐々に回復していく。
ようやく食事がとれるようになった頃。
ある事件が起こって。
それによってロールスエイスは死亡した。
「ロールスエイスさまあああ! どうしてわたくしを捨てたのですか!? どうしてっ……先にっ……うああああああん! ロールスエイスさまあああああああ! 戻ってきて! 戻ってきてえええええ! うわああああああああああああん! 帰ってきてくださいよおおおお! そして愛してるってもう一度言ってえええええええ!」
そのショックで妹は完全に壊れた。
「あああああ……戻ってきて、あなた……あああ……わたくしを捨てるのですか……? どうして! どうしてなのですか!? 早くここへ! 戻ってきてください! わたくしは、わたくしはっ……ここに! ここにいるというのに! お願いですから帰ってきてくださいいいいいいいいい! あああ! ああああ! いぃやああああぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁぁっあっあっうっああああああああ!」
私と違って回復しそうにもなく。
「お願い! わたくしを! わたくしも連れていって! 一緒に! そちらへ! 浮気しないで! きぃえええぇぇぇやぁぁぁぁあああああぁぁぁぁ! あなたああああああああ!」
彼女はそのまま叫び続け、やがて衰弱して亡くなった。
……こうして、私を傷つけた二人はこの世を去ったのであった。
◆
「おはよう、今日も良い天気ね!」
「うんそうだね~。おはよう~。っていうか、朝から元気だね~」
あれから数年、私は、良き夫を得られた。
「爽やかな朝は好きなの」
「そうなんだ~」
「何よそれ!? 初耳みたいに言うわね!?」
「いやいや~、聞いたことあるけど~、改めて学んだな~って」
「えええ……」
おっとり気味で可愛らしい夫と幸せに暮らしている。
「じゃあ朝食作ってくるから」
「ありがとう~」
「あ、卵どうする? 半生がいい?」
「やった~」
「半生好きよね」
「うん好き大好き~」
◆終わり◆




