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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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婚約者の彼が金髪巨乳美女と浮気していました!? 〜それだけならまだしも暴言を吐くなんて〜

 彼と婚約したのはさかのぼること一年前。

 親同士の話し合いの末に決まった婚約だった。


「はじめまして。僕、オーウェンといいます」

「エリザです」

「エリザさん、これからよろしくお願いしますね」

「こちらこそ……! 私、男性と話すことにはあまり慣れておらず……もし無礼がありましたらすみません。どうか、よろしくお願いいたします」


 始まりは恋や愛からではなかったけれど、初回の顔合わせから私たちの関係は悪いものではなくて。


「エリザさん、今度お茶しませんか?」

「喜んで……!」

「ああ良かった。断られたらどうしようかと、少し不安でした」

「そんな。断るなんて。そんなこと、ありませんよ」


 こうしてオーウェンとは仲良く過ごせていた、のだが。


 ……ある時、彼が他に女を作っていたことを知ってしまう。


 彼が裏で愛していたのは金髪巨乳の美女だった。


「オーウェンさん、どうして、どうしてっ……浮気なんてっ……!」


 だからこそ悔しくて。

 それに辛くて。


 耐えきれず、意見を述べてしまって。


「あー、うるせぇな」


 それによってオーウェンの機嫌を損ねてしまう。


「え……」

「何だよ偉そうに。しかも喚きやがって。ぎゃーぎゃーうるせぇよ、くだらねぇつまらねぇ女のくせに」


 オーウェンの本性が露わになった。


「てめぇはそんな偉そうなこと言えるほど偉大なのかよ!?」

「オーウェンさん……」

「女のくせに偉そうな口のきき方しやがって! 貰ってやるって言ってんだろがよ? てめぇは下! てめぇの立場はなぁ、こっちよりずうぅぅーっと下なんだよ! 奴隷みてぇなもんなんだよ!」

「どうして、そんな、こと……」

「だから口答えすんな!!」


 オーウェンは優しい男性ではなかった。


「次何か言ったら婚約破棄だからな」


 彼はそう吐き捨てて金髪巨乳の美女と共に去っていった。


 仕方がないので私はこの件を自分の両親とオーウェンの両親に報告。

 それにより、婚約破棄をこちらから告げることが決定した。


 オーウェンの両親は何度も謝ってくれた。それに関しては感謝している。自分たちの息子の悪しき行いを認め代わりに謝罪したのだから偉大な人たちだ。また、それゆえ、オーウェンの両親に対しては多少申し訳なさも感じている。


 ……でも、罪悪感を抱くつもりはない。


 そしてやって来る宣言の日。


「オーウェンくん、我が娘を裏切り、さらに暴言で傷つけたそうだな」


 私の父親が第一声そう発すると。


「そ、そんなこと……何かの間違いです!」


 オーウェンは否定した、けれど。


「奴隷みたいなもの、とか言ったそうじゃないか。婚約者に対してそのような言葉を投げつけるとは、さすがに無礼が過ぎるのではないか?」

「ちっ、ちがっ……」

「他に女を作るだけでも君に非がある。にもかかわらずさらに暴言を吐くとは。あまりにも酷いのではないか」

「や、ちょ、違って、それはっ……」


 やがて追い込まれ、オーウェンは何も言えなくなってしまう。


 そして私は。


「今までありがとうございました、そして、さようなら。……婚約、破棄します」


 終焉の鐘を鳴らした。



 ◆



 あれから数年が経った。


 オーウェンはあの後金髪巨乳美女にプロポーズするも「本気になるとかキモい」と言われたうえ「二度と近づかないでくれる? 勘違い男」とまで言われてしまいそれによって受けたショックで精神崩壊したそうだ。


 で、療養中のある晩、家の前で鎌を振り回していたために逮捕されたそうだ。


 ……馬鹿だなぁ。


 ちなみに私はというと、良き夫と結婚し第一子にも恵まれ幸せに暮らせている。



◆終わり◆

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