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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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私を捨てた婚約者が先日この世を去りました。~さようなら、永遠に~

「お前なんてな、もうどーっでもいいんだよっ!!」


 婚約者リグレットがある日突然そんな失礼なことを言ってきて。


「てことで、お前との婚約は破棄するわ」


 しかも関係の解消まで宣言してきた。


 ――あれは何年か前の冬のことだ。


 あの時のリグレットは心が汚い人のような顔をしていた。そしてそれと同時に私を傷つけることを目的として行動しているというような目つきをしてもいた。失礼だが悪意はない、なんて、生易しいものではなくて。彼の目的は明らかに私を傷つけること、私の心に泥を塗り付け傷を残すことであった。


 ……でも、私は、そんな苦しい時期を越えた。


 本当に辛かった。

 何度も泣いた。


 けれどもその先に希望があると信じてここまで歩いてきた。


 私は一人ではなかった。支えてくれる人がいた。親とか、親しい友人とか、その他にも色々。だからこそここまで来られたのだと思う。自分なりに努力はしてきたけれど、でも、周りからの支えがなければ乗り越えることは難しかったに違いない。もしも私の周囲に誰もいなかったとしたら、きっと、辛い時期を越えて春の日差しを浴びることは叶わなかっただろう。


 ……だからこそ、皆に、最大の感謝を。


 支えてくれてありがとう。

 皆にその言葉を贈りたい。


 ちなみに私はというと、今は結婚もして問題なく幸せに暮らしている。


 今の夫とは親の紹介で知り合ったのだけれど、一度目に会った時からすごく楽しく過ごせて――それで今に至っている。


 もちろん現在も仲良しだし日々楽しく過ごせている。


 彼と出会えたという意味ではリグレットにも感謝しなくてはならないのかもしれない、なんて思うほどに、今はとても穏やかで幸福な日々だ。


 一方リグレットはというと、先日この世を去った。


 路上で薄着で謎の踊りをしていたところ走ってきた馬車にはねられてしまい即死したのだそうだ。


 ……何が起きたんだ、一体。


 そもそも、なぜ薄着で? 他人に見られる可能性があるのにどうしてそんな恰好も? 真夏でもないというのに。しかも……踊っていた? 彼は踊りなんて好きじゃなかったはず。なのにまた、どうして、踊りを?


 不自然なことはたくさんあるけれど。


 だがまぁどうやら彼には天罰が下ったようだ。



◆終わり◆

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