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花の匂いが漂ってきたら
詩のような作品です。
花の匂いが漂ってきたら
あなたとの日々を思い出す
楽しかったあの頃
嬉しかったあの頃
楽しい香りと嬉しい香りに包まれながら
幸せな毎日を歩んでいた
柔らかな匂いに
心潤されるように
柔らかな空気の
中で息をしていた
あの頃は幸せだったわ
なんて言っても何もかももう遅いのだと
分かってはいるのだけれど
今はただ悲しいの
なんて言っても何も変わりはしないのだと
分かってはいるのだけれど
あなたに会いたい
そう言ってもいいかしら?
あなたに会いたい
そう言っても許されるかしら?
もし馬鹿げていると笑われても
それでも構わないわ
だってそれがわたしの本心なのだから
そこはどうやっても変えられない
そうよ
人の心
この心を
書き換えることは誰もできない
花の匂いが漂ってきたら
あなたとの日々を思い出す
弾む心を抱えて
あの頃は毎日歌い踊れていたの
楽しい香りと嬉しい香りに包まれながら




