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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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十年前のあの日、いきなり告げられたのは婚約破棄でした。〜すべてを越えて、我が道を行く〜

 十年前のあの日、当時婚約していた相手であった彼から「お前との関係は終わりにする」と言ってきてさらに婚約破棄を宣言してきた。


 何でも彼は私ではない女性に惚れたそうで、それゆえに婚約破棄したくなったとのことであった。


 ……それだけならまだ良かったのだが。


 何を考えたのか彼は私のことを悪く言うための悪質な言葉を多数並べてきて――それゆえ、絶対に許せない、と、強く思った。


 侮辱してくる人。

 何もしていないのにまるでこちらが悪いことをしたかのように言う人。


 そういうのは私が最も嫌いな種の人間だ。


 だから許せなかった。

 もう何も言い返さなかったけれど。


 でも、絶対許さない、とは強く思っていた。


 ただ、彼との終わりが、今の私を生み出してくれている。


 それは確かなことだ。


 婚約破棄されてすぐに以前から興味を持っていた服飾の世界に飛び込んだ私は、そこで多くの仕事をこなし、さらに先進的なデザインで大成功して有名人となれた。


 案外悪くないかも、なんて思える未来が待ってくれていたから、私はもう過去のことを引きずってはいない。


 ある意味、彼には感謝しなくては。


 あ、そうそう。

 ちなみにだが。

 あの時私を切り捨てた彼は今はもうこの世には存在していない。


 というのも、彼は、惚れた女性にはめられて怪しい男のもとへ売られ内臓を抜かれてしまったのだそう。


 内臓を失った彼が生きているわけもなく。


 つまり、彼はとうに滅んだのである。


 許せない。

 その気持ちは今でも多少あるけれど。


 でもそこで立ち止まってはいられないから。


 大きな声で言おう。


 ざまぁ、と。


 そしてまた歩き出す。



◆終わり◆

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