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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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ああ、また、雨が降る……。こんな日は思い出すわ。あの頃の記憶。

 ああ、また、雨が降る……。


 こんな日は思い出すわ。

 あの頃の記憶。

 そう、愛していた人に切り捨てられて絶望の涙に打たれたあの頃を……。


 婚約者の彼を愛していたのに、それなのに、彼は私を愛しはせず。何をやらかしたわけでもないのに、彼は私を切り捨てた。とてつもなく身勝手で滅茶苦茶な理由をつけて。ただ他の女のところへ行きたいがために。


 それは私にとって人生最大の絶望だったの。


 胸が痛くて。

 息ができなくて。


 とても耐えられないくらい、死んでしまった方がましかもしれないと思うくらい、あの時期は辛かったわ。


 ……でも。


「おはよう」

「あ、おはよ」


 あの辛い時期があったからこそ、現在の夫、素晴らしい人柄の彼に巡り会えた。


「もう起きてたんだ? 早いね」

「ええ、目が覚めて」

「そうだったんだ。大丈夫? 悪夢でもみた?」

「いいえ」

「なら良かった」


 あの苦しみがあって、だからこそ、今のこの幸福を手にできているのだ。


 そう、すべての経験が糧となる。


 過去を越えて。

 幸せな現在、そして、未来へ。


 私はもう泣いてはいない。



◆終わり◆

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