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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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251/598

唾をかけてくる婚約者が不快で嫌すぎます……泣きそうです……

 お馬鹿な婚約者ロレテは会うたびに唾をかけてくる――彼にとってはそれが愛情表現なのだそう、彼の親がそう言っていた――まったくもって理解不能だが。


 そんなロレテはある日突然。


「お前との婚約は破棄する!」


 そんな宣言をしてきた。


「え」

「お前には飽きた!」


 さっくりとそんな風に言われて。


「関係はここまで、な。じゃ! そういうことで! バァーイ!」


 一方的に関係を解消されてしまったのだった。


 でも……良かったのかもしれない。

 だって、これでもう、唾をかけられずに済むから……。


 不潔な行為から解放されるのはとても嬉しいことだ。


 ――翌日、ロレテは落命した。


 家の前にある石の階段で踊っていたところ足を滑らせて転落。その際舌を強く噛んでしまい、痛みのあまり失神。誰にも気づかれなかったために数時間にわたってそのまま放置され、結果、命を落とすこととなってしまったそうだ。



◆終わり◆

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