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あの雷雨の夜、貴方はこの世を去った。
あの雷雨の夜、貴方はこの世を去った。
私たちは愛し合っているはずだった……なのに、現実は厳しいもので、黒い現実は私の綺麗な心を突き刺し粉々にしてしまった。
貴方が裏切っていたと知ったあの夜。
今でも思い出せる。
私ではない女を抱き締め甘い声を絡めている貴方を目にした瞬間の記憶。
……そして私の中の何かが壊れた。
怒りに飲まれた私は呪文を唱えて。それによって貴方は死んだ。貴方に、そしてその隣にいる艷やかな女に、雷が落ちて。それによって四肢を甘く絡めていた二人は生を終えることとなったのだった。
誰が二人を殺したのか。
そんなことは誰にも分からない。
私だけが知っている。
でも、私は死ぬまでそのことについて誰にも話すつもりはない。
◆終わり◆




