表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

242/598

婚約者を実妹に奪われましたが……結果的にはラッキーでした。なぜって……後に色々ややこしいこととなったようだからです。

「悪いわねぇ、お姉さま。彼、ローベッド様は、わたくしを選ぶんですって」

「すまないな。悪いがもう君とは生きない。僕は彼女、ネネさんを選ぶ。よって、君との婚約は破棄とする」


 ある日のこと、実妹ネネと我が婚約者ローベッドが二人揃って私の前に現れた。


「え……」


 いきなりのことにそんなことしかこぼせなくて。


「驚いてるみたいねぇ、お姉さま。うっふっふふっ」

「悪いな。ははは」


 そんな私を見て、二人は馬鹿にしたように笑っていた。


 ……私は馬鹿にされている、のか。


 悲しいし、切ないし、虚しい。でもそれでも私は生きてゆくしかないのだ。だから息をするし、だからこそ生の道を進む。それしか道はない。



 ◆



 あの後ローベッドとネネは結婚した。


 しかし結婚後間もなくローベッドは山賊に襲われるという悲劇に見舞われ、命こそ取り留めはしたものの幼児退行してしまった。


 かつてのローベッドはもういない。


 ローベッドは今、幼い子のようにおもちゃで遊ぶことくらいしかできないのだ。


 そんなローベッドの介護を強いられることとなったネネは不満を抱え、やがて心を病み、しまいに窓から飛び降りてこの世を去った。


 二人に幸せな未来はなかった。



 ◆



 あれから十年。

 私は良き夫と共に温かな家庭を築くことができている。


 彼との、そして子どもとの、忙しくも幸せな日々。それはとても愛しいもの。私にとっては何よりもの宝物だ。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ