魔法使い令嬢ですが、婚約破棄されました。~私は私の幸福を求める〜
私エリーゼは魔法使い令嬢。
たまには私を気持ち悪い女と言う人もいるけれど、そんな私にも婚約者はいた。
……けど。
「お前、もう要らねぇわ」
その婚約者、リーザルから、ある日突然そんなことを告げられてしまう。
「え……」
「魔法使い女なんてよ、もう要らねぇんだよ」
「そんな、急にどうして」
「はっ。他の良い女が見つかったんだ、それなのにお前と一緒にいる意味なんてねぇ」
リーザルはある程度きちんと私を愛してくれていると思っていた。
だからこそショックで。
心ない彼の言葉を耳にした瞬間には全身が震えるような感覚があった。
「もっといい女が見つかったんだよ」
彼は冷ややかに吐き捨てる。
「じゃあなエリーゼ、ばいばい」
こうして私は捨てられてしまったのだった。
◆
あれから数日、リーザルは亡くなった。
彼はその日太陽光を浴びながら散歩していたそうなのだが、うっかり転倒してしまって、その際に後頭部を打ってしまったそう。で、それによって気を失い、そのまま意識不明になってしまったそう。
で、やがて死亡した。
どうやら、心ないリーザルには天罰が下ったようだ。
◆
あれから数年、私は特技である魔法を使い人助けをしながら生きている。
「エリーゼちゃん! いつもありがとねぇ」
「いえいえ〜」
「また頼むねぇ。ほんとに痛くてさぁ、身体が。だから困っていたんだよぉ」
「力になれて良かったです」
老若男女問わず、私は人々を救いたい。
だからこれからもこうやって生きてゆく。
◆終わり◆




