かつて、惚れた、と言ってくれた彼だったのですが……今ではもう関係が冷え切ってしまっています。
「貴女に惚れました! 愛してしまいましたので……僕と共に生きてください!」
あれは学園を卒業する日のこと。
門の前で立って待っていた彼リベーオからそんな風に想いを告げられた。
そして私は彼との道を歩み出した。
彼の熱量に少々圧倒されていて、それで私は、波に押し流されるかのように彼と生きてゆく道を選ぶこととなったのである。
◆
あれから二年半。
私たち二人の関係は冷え切ってしまっている。
最初の頃のような仲の良さはもうない。
リベーオは私を愛していない。
彼の心はこちらを向いてはいないのだ。
……今はもう、ただの、形だけの婚約者。
「いいの? こんなところでいちゃいちゃしてて」
「ああ、べつにいいんだよ。あんなやつおもんねーし。もうどーっでもいーわ」
「ええ〜っ、酷ぉ」
「ったく、うるさいなぁ」
「うふふ! 冗談! 冗談よぉ、うふふっ。……婚約者さん、可哀想にねぇ」
しかもリベーオは浮気している。
彼はいつも胸の大きな女性リィナとたびたび二人で出掛けていて、深い仲となっていて、時には過剰に密着したりもしている。
二人はもうそういう仲だ。
友人とか、仲良しとか、そういう範囲を超えた男女ならではの関係に至っている様子である。
「じゃ、今日も行きましょお〜」
「ああそうだな!」
「あぁ〜もぅ楽しみだわぁ、うふふぅ」
正直、良い気分にはなれない。
ただ、だからといって私一人で何かできるというわけでもなくて、だから……ただひたすらにじっと耐えているしかないのだ。
◆
そんなある日、リベーオは死亡した。
隣町へ出掛けていて刃物を持った不審者に襲われ、胸を刺され、そのまま死へ至ることとなってしまったようである。
また、その数日後に、リィナもまた何者かに襲われナイフで背中を複数回刺され落命。
その身勝手な行動で私を傷つけていた二人はあっさりこの世を去ることとなったのだった。
……でも、ちょっと、嬉しさもある。
さっぱりした気分というか。
どこか晴れやかさを感じる。
◆終わり◆




