寒い冬の日の夜、婚約者である彼に呼び出されまして……?
寒い冬の日の夜、婚約者である彼ミーフィーに呼び出された。
「お前との婚約だが、破棄とすることとした」
しかも告げられたのがそんな言葉で。
「え――」
何も言えなくなってしまう。
ただ愕然としていることしかできない。
瞳はひたすらに震えていた。
「驚いているみたいだな」
「はい」
「だがまぁそんな演技をしても無駄だ」
「え……」
「はは、動揺しているふりなんてしても無駄だぞ。お前が演技していることなんざ見え透いていることだ」
ミーフィーはにやりと片方の口角を持ち上げた。
「だから遠慮はしない」
これは一体何を言われているのか。
まったくもって理解できない。
「演技なんてしていません……!」
取り敢えずそう返すけれど。
「婚約は破棄だ」
「ええっ……完全無視ですか……」
彼は少しも聞いてくれない。
「こ! ん! や! く! は! 破! 棄! だァッ!!」
――こうして私たちの関係は終わった。
◆
翌日、ミーフィーが亡くなったという話を母から聞かされた。
ミーフィーは昨夜私と別れた後家へ帰ろうとしたそうなのだが、なぜか帰り道が分からなくなってしまい、迷って彷徨っているうちに身体が冷えて凍死してしまったのだそうだ。
一体何が起きたのだろう……?
謎でしかない。
本当に、どこまでも。
◆
あれから数ヶ月、私は、エリベルンという高貴な家の出の青年に見初められた。
そして彼と結婚することとなる。
まだ話は途中だけれど一応その方向で話は進んでいる。
エリベルンは少し抜けたところのある青年だけれど、そう言うところも含めて可愛らしいし、眺めていてとにかくほっこりできる――だから私は彼のことが大好きだ。
高貴で、でも、飾らないしかっこつけてもいない。
そんなところが彼の一番の魅力ポイントだと思う。
◆終わり◆




