婚約者と実妹が腕を組みながら私の前に現れ……?
その日、婚約者である彼ローゼントと私の妹リーシアが、腕を組みながら私の前に現れた。
「悪いがシーシナ、君とはもう共には生きない。なぜかというと、君よりも素晴らしい女性と巡り合ったからだ。そう、その素晴らしい女性というのが彼女だ。妹さんだよ、君の」
ローゼントがそんなことを言う。
そして。
「お姉さまはもう必要とされていないのよ」
リーシアがそう続けた。
「彼はお姉さまではなくわたしを選んだわ。それは決して変わらない事実」
「リーシア……どうしてこんなことを」
「どうして? あっはっはは!! 馬鹿じゃないのぉ? お姉さまぁ!?」
リーシアは私を見下すような振る舞いを崩さない。
勝った、そう思っているのだろう。で、勝ったなら何をしても良いのだ、とでも考えているのだろう。だからこそこんな風に心ないことを言えるのだ、きっと。
「俺たちは二人で幸せになる」
「そういうことよ、お姉さま。つ! ま! り! 女としてはわたしの勝ちなの!」
「じゃあな。ばいばい、シーシナ」
「お姉さま負けぇ! きゃーっはっはっははは! ざまぁ! きゃぁーっ、はっはっははは!」
◆
あれから一年。
驚くべきことだが、ローゼントとリーシアはもうこの世に存在しない。
というのも、二人は結婚式の日の朝に死亡したのだ。
もちろん私は無関係。
私はその日風邪を引いて自宅で寝込んでいたのだが、そんな中でその事件について聞いた時にはかなりの衝撃を受けた。
会場に突然山賊が入ってきたそうで、無惨に殺められたそうだ。
……可哀想、とは思わない。
私を傷つけた二人だ。
その人たちがどうなろうとも知らないしどうでもいい。
ちなみに私はというと、今は友人の花屋で手伝いをしている。
毎日はとても楽しい。
とにかく充実している。
◆終わり◆




