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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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自分が裏切っておいて逆ギレし婚約破棄などと言い出すなんて……正直それはどうかしていると思いますよ?

「お前なんてなぁ! もう要らねえんだよ! リリシアのことを悪く言うってんなら今すぐ消えろ。婚約は破棄だッ!!」


 婚約者モルティーオは浮気していた。

 私という人間と婚約しているにもかかわらず、家が近所である女性リリシアとこっそりそういう関係になっていたのである。


 そのことを知った私は黙ってはいられなくて。

 はっきりとそのことについて思いを言わせてもらった。


 だがそれによって激怒され、関係も終わりにするといったことまで言われてしまった――それが現在の状況だ。


「リリシアはなぁ! 世界一可愛いんだよ! それが誰が何と言おうとも絶対なんだ!」

「そうですか……」

「あったりめぇだろが! ……あーあー、もういいさ。お前みたいな女は要らねぇ要らねぇ。さっさと消えてくれ。永遠に、な!」


 こうして私とモルティーオの関係は叩き切られて終わったのだった。


 だがそれから間もなく天罰が下った。


 その日モルティーオとリリシアは二人で山の方へ出掛けていたそう。


 しかし山道を歩いている時に晴れていたにもかかわらず突如雷が落ちて。それに運悪く打たれてしまったモルティーオは愛する女性の前で絶命。


 また、それによって腰を抜かして立てなくなっていたリリシアは、夜が近づく頃に辺りで活動している山賊グループの男たちに発見されて誘拐されてしまったらしくて。彼女はそのまま山奥にまで連れていかれ、そこで人権など一切ない奴隷としておもちゃのように扱われることとなったそうだ。


 二人には幸せな未来などなかった。


 でも自業自得だと思う。

 だって二人の行動は私という人間を傷つけたのだから。


 災難に見舞われたとしても可哀想だとは思わない。



 ◆



 あれから三年が経ち、少々遅めではあるものの私は無事良い人と結婚することができた。


 周囲よりかは遅めの結婚。

 中には「行き遅れ」とか「モテないの?」とか嫌みを言ってくるような人もいたけれど、私はこの結婚で良かったと思っている。


 結婚なんて運であり縁だから、それがいつやってくるかは分からないものだ。だから私はその時をまったり待つ道を選んだのである。そしてその果てに理想的で愛おしい男性と結ばれることができた。


 自分の選択は間違ってはいなかった、今はそう思う。


 周囲からの雑音など気にはしない。

 私はただ私の幸福な未来のために生きるだけだ。



◆終わり◆

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