「お前みたいな低能女、さっさと俺の視界から消えろ! 婚約は破棄とする!」とか言われたのですが……
「お前みたいな低能女、さっさと俺の視界から消えろ! 婚約は破棄とする!」
婚約者ロィメンに失礼なことを言われたうえ関係の解消をも告げられてしまった私は、多くのものを想定外のタイミングで失い落ち込むしかなかった。
……だが、その日の晩、信じられないことが起こる。
ロィメンの自宅に隕石が落ちたのだ。
その隕石は小さなものだった。
しかし宇宙からの落下物の破壊力というのは凄まじい。
その事件によって、ロィメンは死亡した。
聞いた話によると。
隕石の落下によって破壊された家だった瓦礫の下敷きとなり落命してしまったのだそうだ。
だが信じられないことはそれだけではなくて。
「アイシテイマス、ケッコンシテクダサイ」
その隕石の表面に付着していた宇宙人が私のところにまでやって来て、そんな風に想いを告げてきたのだ。
「えっ……」
「トモニウチュウヲシハイシマショウ」
「あ、あの、そんなことを言われましても……すぐには理解できなくて、えっと……ごめんなさいまだ頭が」
「イソギマセン。タダ、ジブンハ、アナタトトモニイキテユキタイ。ソシテ、アナタトトモニウチュウヲシハイシタイノデス」
すぐには頭が追い付かなくて。
……でも、結局、私はその宇宙人と結婚することとなったのだった。
◆
あれから数年、私は宇宙の支配者となった。
すべての星。
そこに生きるすべての命。
全部、私のもの。
もはや私に逆らえる者などいない。
私の顔を見れば誰もが頭を下げる。
◆終わり◆




