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指と指を絡めるとき
詩のような作品です。
指と指を絡めるとき
わたしたちは男女としての関係を芽吹かせる
苦しみも悲しみも
そのときだけはすべて溶けて
甘い匂いに翻弄されながら
歌をくちずさみ
愛を奏でる
そうよそのときだけは
特別な二人になる
神はわたしたちを引き裂いたけれど
心まで引き裂くことはできやしない
誰もこの心を切り裂くことなどできないのだと
今宵証明してみせよう
そう言って
小さく笑い合って
また今日も愛しさに溺れてゆく
指と指を絡めるとき
わたしたちはより深い領域へと沈みゆく
すべての苦痛は
そのときだけは消えてなくなる
甘い匂いを指先で辿れば
耳に届くのは幸運の鐘の音
絡み合う心と心に
祝福は確かに届けられた




