婚約破棄後、私たちは真逆のような人生を歩むこととなりました。
「エイリア、君とはもう関わらない……よって! 婚約は破棄とする!」
婚約者である青年ルィードはある日突然呼び出してきてそんなことを告げてきた。
「あ、そうですか。分かりました。では私はこれで。失礼します」
「えっ……」
「どうされました? ルィードさん」
「あ……ゃ、べつに……」
「おかしな顔をなさっていますが」
「うっ……うるさいっ!! 何を偉そうに! ふざけるな!!」
面倒臭い気持ちが込み上げてきたので、私はそのまま彼の前から去ることにした。
……だってもうすべて終わったのだ。
彼との関係は終わりを迎えた。
この道に先はない。
◆
あれから数年。
私たち二人は真逆のような人生を歩むこととなり今日に至っている。
ルィードは婚約破棄後間もなく一人の女性に惚れたそうなのだが、その女性が実は裏社会の人間で、女性の策にはめられた彼は内臓を抜かれることとなってしまったそうだ。
つまり、彼はもうこの世にはいないのである。
それとは対照的に私は幸福を掴んだ。
王子に見初められ結婚、今は穏やかに城で暮らしている。
◆終わり◆




