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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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いきなり婚約破棄宣言されました、が……? ~なんてこった、ですが、彼がどうなろうとも知ったことではありません~

「貴様との婚約なんざ、破棄とする!」


 婚約者アルフリットはある日突然そんな宣言をしてきた。


「婚約、破棄……なぜですか?」

「飽きたからだ」

「ええっ……」

「貴様といてもまったくもって楽しくない。よって、この関係は無意味なものであると判断した。こんなことを続けても何の意味もない」


 アルフリットはどこまでも心なくて。


「えええ……」


 思わずそんな風に声を漏らしてしまうと、鬼のような形相で睨んできた。


「じゃあな、さらばだ」


 彼はそう言って部屋から出ようと扉の方へ行く――が、直後。


「ぎゃああああああああああ!!」


 叫び声がした。

 何事かと思いそちらへ目を向ければ、扉を開けてすぐのところに蟹にも似た形の怪物がいて。


「ぎゃあああああ! だずげでええええええ!」


 彼はそれに襲われ、残念ながら餌となってしまった。


 だがその怪物はアルフリットと仕留めると去っていく。

 こちらへまでは襲ってはこなかった。


 こうして、私とアルフリットの関係は終わりを迎えることとなったのだった。



 ◆



 あれから五十年。

 良き夫、娘息子、そして可愛い孫――多くの温かな人々に囲まれて、今は穏やかな老後を過ごしている。


 もうじき、また春が来る。


 そう、心地よく穏やかな春が――。



◆終わり◆

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