表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

172/598

「愛しているよ、君のことだけをずっと」いつもそんなことを言ってくれていた婚約者でしたが……。

「愛しているよ、君のことだけをずっと」


婚約者ルメクルーブはいつもそんな風に言ってくれていたのだけれど。


ある時、知ってしまった。

その言葉に真実の心はないのだと。


「可愛いミレーネ、愛しいよ」

「んもぉ~っ」

「誰よりも愛してる」

「嘘つき! 婚約者がいるじゃないの!」

「ああ……いいんだよあんなやつ。どうでも、ね。だってあんな女お飾り婚約者さ。愛しているのはミレーネ君だけだ」


というのも、ルメクルーブが他の女といちゃついているところを見てしまったのである。


信じられなかった。

幻を見ているのかとまで思った。


でもそれは現実で……。


「あんな女より君を愛してる」

「んもぉ、ルメったら、情熱的なんだからぁ~」


腹が立ったので、その日私は父が使っている書斎から一冊の本を取り出して持ってきた。


それは小さな頃に見つけた本。

様々な秘術について書かれている。


「よし、やろう」


私は復讐の術を使うことにした。

不快な者、悪しき者、そういった者に天罰を下す術だ。


覚悟は決まった。


もう決して迷わない。

ただ前へ進むだけ。





あの後、ルメクルーブとミレーネは、術によって亡くなった。

二人はその日崖から街が見えるところへ旅行していたそうなのだが、うっかり転落してしまい、二人まとめてあの世送りとなってしまったのだった。


それにより私と彼の婚約は自動で破棄となった。


さようなら、二人。


きっともう二度と会うことはないだろう。

でもそれでいい。

二人に幸せな未来が訪れる必要なんてないから。


それでこそ、この怒りが少しは鎮火するというものだ。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ