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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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婚約破棄ですか? それでも構いませんよ。でも……わがまま放題な貴方のままでは良き人と結ばれるのは難しいと思いますよ。

 婚約者ベーゲラはわがまま放題な男だ。


 口を開けば文句、そして愚痴。

 とにかく感じの悪い人物である。


 婚約者である私もたびたび嫌みを言われていた。


 そんな彼からある日突然告げられたのは。


「お前との婚約だが破棄とすることにした」


 関係の解消、終わり、であった。


「俺はもっと条件の良い女と生きる。その方が俺に相応しいと思う。だからこその婚約破棄だ。急な報告になって悪いな。ま、理解して納得してくれ」


 こうして私は捨てられた。

 でもそこまで悲しくはなかった。


 普通、急に婚約破棄を告げられたりなんてしたら、ショックを受けたり悲しんだりするだろう。涙が止まらない、なんてことにもなりかねない。いや、なるだろう。愛している人から終わりを告げられた日には絶望の海に沈む勢いであろう。


 でも私においてはそんなことにはまったくもってならなかった。


 だってベーゲラのことは好きではなかったから。


 愚痴ばかり嫌みばかりの彼。

 そんな人を愛せるはずもなかった。



 ◆



 あの婚約破棄から三年半が経った。


 私は今、良き人と結婚して夫婦となり、穏やかな日常を謳歌している。


 良家の出で裕福な環境で育ってきた夫だが、性格は悪くなく、謙虚さや慎ましさも持った良い印象の男性である。


 そんな彼とだから、毎日楽しく暮らせている。


 一方ベーゲラはというと。

 彼はあの後理想的な女性を探すも見つからず、また、声をかけても無視されたり拒否されたりということを繰り返して。

 厳しい現実にうちひしがれた彼は今はもう健康体ではないようだ。

 身体は一応健康ではあるのだが、心が壊れてしまっているようで、健康に楽しく暮らせるような状態ではもうなくなってしまっているようである。


 私たちの未来は完全に逆のようなものであった。



◆終わり◆

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