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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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婚約者は私を捨てて妹を選びました。とてもショックでした、でも……両親が味方でいてくれたので、ただ生きて、やがて幸せを掴むことができました。

「お前なんて要らねぇ! 俺にはエリナだけいればいい! 婚約は破棄だ!」


 婚約者アザルトは私を愛さなかった。

 そして私の妹であるエリナを愛し選んだのだ。


 婚約者に捨てられしかも彼は妹に惚れていた。そして実際妹と共に生きることを選ばれて。私は要らない人間だと、そこまで言われて。妹を取るために捨てられた。


 そんな私がどんなに惨めな思いをしているかなんて……きっと誰にも分からないだろう。


 婚約破棄されるだけなら。

 愛されないだけなら。

 まだしも救いはあったかもしれない。


 それが運命だったのだ。


 そう思えたなら、少しはましだった。


 でも私はそう思うことすら叶わない。

 だって妹のせいで捨てられたことは明らかなのだから。



 ◆



 実家へ帰ってからは泣いてばかりだった。


 でも良いことも少しはあって。

 それは両親が私の味方でいてくれたということだ。


「泣かないで。貴女は最も愛おしい娘よ。エリナも娘ではあるけれど、でも、今はもう娘だとは思えない。姉の婚約者を奪うような娘はもう娘ではないわ」

「そうだぞ。お前は悪いことはしていない、それは確かだ。だからその生き方を誇っていい。お前には非は一切ないのだから。きっと未来で良いことがある、そう信じて生きるんだ。そうしていればきっと幸せになれる」


 母も、父も、私の味方でいてくれた。


 また、エリナに怒りを持っていた両親は、彼女を家に入れないようにもしてくれた。おかげで実家で彼女と顔を合わせなくてはならないという悲劇は避けられた。また、エリナが帰る場所を失ったという事実も、小さなことながら私に勇気をもたらしてくれた。酷いことをしたら何かを失うのだ、と、そう思えたから。


「ありがとう、父さん母さん。私、少しずつでも前を向くわ。頑張ってみる」


 良い両親のもとに生まれることができて良かった。


 エリナの味方をするような親でなくて、本当に、本当に……助かった。



 ◆



 アザルトとエリナは婚約していた。だが結婚直前にアザルトの父が多額の借金をしていたことが判明、それによって二人の関係は悪化してしまう。些細なことから喧嘩が多発するようになってしまったようだ。で、そんな中、アザルトは借金返済の代わりとしてエリナを借金取りへ差し出すという暴挙に。


 エリナは闇社会の金貸し業者に身を渡されることとなってしまい、その後行方不明になった。


 彼女の身に何が起きたのか、それは分からない。けれども相手が相手だ、真っ当な環境で生かしてもらえるということにはなっていないだろう。おもちゃになったか、殺められたか、そこは知らないが。何にせよ彼女は良い人生を歩むことはできなかったに違いない。


 そうして借金返済からは逃れたアザルトだったが、彼はそれから少しして突如謎の腹痛に襲われ倒れた。そしてそのまま気を失い。病院に運び込まれたが、時既に遅し。彼はそのままこの世を去ることとなってしまったのであった。


 アザルトとエリナに明るい未来はなかった。


 空は晴れて澄んでいても。

 二人がその空を見上げる日は永遠に訪れないのだ。



 ◆



「おっはよー! 今日は久々の休み! だからさ、のーんびりしよう!」

「そうね」

「やっほーい!」

「ちょ……落ち着いて落ち着いて。さすがにテンション上がりすぎよ……」

「あ、ごめん」


 アザルトとの件ではたくさん傷ついたけれど、私は今とても幸せだ。


 なぜって、良き人と巡り会えたから。そして、その人と結婚することができたから。愛する人、大切な人、そんな彼と夫婦になり歩めている。こんなに幸せなことはない。


「取り敢えず朝食とりましょ」

「うん! そうだね」

「ちょっと手伝ってくれる? テーブルの準備とか」

「あ、うん! もちろん! 行く行く!」

「ありがとう」



◆終わり◆

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