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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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雨が降っている。まるで天が泣いているかのようだ。~婚約破棄され、空を見つめる~

 雨が降っている。


 まるで天が泣いているかのようだ。

 どこまでも悲しげな空模様。


 ――そして、私の心もまた、それと同じように泣いている。


 昨日、婚約者より突然告げられた婚約破棄。それによって我が心は潰れてしまった。


 宣言以降、実家へ帰ってからもずっと、体調はすぐれない。


 体調と言ってもすぐれないのはほぼ精神面なのだが。現在起こっている肉体面での不調も恐らくはほぼすべて精神面から来ているものだろう。


 冷たい窓ガラスに触れて、湿り気を指先に感じる。


 何の意味もない行為だ。

 でも今はそういったものを欲している。


 身も、心も。


 雨降りを見つめるとほんの少しだけ心が軽くなる気もする。なぜなら、天が代わりに泣いてくれているように感じるから。だから、それを見つめている間だけは、とめどなく流れていた涙も少し勢いを落とすのだ。


 あの空はきっといつか晴れるだろう。


 この心にもそんな時が来るのだろうか。


 雨は去り、陽が射す。

 そんな時がこの胸にも訪れるのであれば、それは、今の私にとってはただ一つの希望だ。


 前を向いて生きたい。


 でも今はまだ難しい。


 言うのは簡単だけれどそれを実行に移すのは簡単ではない、それがこの世の理というものである。



◆終わり◆

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