泣いてしまいそうな夜ね
詩のような作品です。
泣いてしまいそうな夜ね
あなたがいないから
あなたと触れ合っていられないから
窓の外の夜空に浮かぶ月が
今宵とても綺麗よ
そんな夜だからかしら?
今は凄く胸が痛くて
泣いてしまいそうなの
ああ どこまでも辛いわ
ああ どこまでも悲しいわ
また泣いてしまいそう
孤独の波がこの身に襲いかかる
それはあまりにも冷たくて
頬が痛くなるほど
肌が凍りつくほど
心が冷たくて辛いの
泣いてしまいそうな夜ね
あなたがいないから
あなたと触れ合っていられないから
共にあれた頃は良かったわ
とても幸せだった
どんなに辛いことが起こっても
あなたが傍にいてくれるなら
乗り越えてゆけると
そう思えていたから
怖いものなんてなかった
わたしは一人ではないと
わたしは孤独ではないのだと
そう思えるだけで
どこまでも強くなれる気がして
たとえ絶望に出会っても
あなたがいてくれるなら越えてゆける
どんな荒波も
どんな嵐だって
そうよ怖くはなかったの
でも今はあなたがいないから
わたしはその頃のように強くはあれないの
ああ 泣いてしまいそう
ああ 消えてしまいそう
月が綺麗な夜には
いつもあなたのことを思い出す
もう二度と会えはしないでしょう
きっと今頃あなたは
良き家庭を築いて
温かな家で暮らしているのでしょうね
想像することすら苦痛だわ
今宵は夜空がとても綺麗
あなたにも教えてあげたいほどに
でもそれはもう
叶わない願いなのだと
分かっているの
わたしだって
そこまで愚かではないから
今やあなたの隣にはわたしの席はなく
そこにいるのは別の女性なのだと
理解してはいる
分かっているのだけれど……
泣いてしまいそうな夜ね




