表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

101/598

生まれつきの少々不気味な能力のせいで婚約破棄されましたが、その少し後に……? ~人生大逆転、大きな幸福を掴むことができました~

 生まれつき一時的に腕を増やすことのできる能力を持っていた私エトリアは婚約者であるミッドガーデスに良く思われていなかった。


 ミッドガーデスは一応婚約者同士でいてはくれるものの、旧友などの前では私の悪口を言っていたようだ。気持ち悪い、とか、化け物、とか。なかなかボロクソに言っていた様子である。


 表向きだけは一応何とか良い風に装ってはいても、裏では黒い本心丸出しだったのだ。


 そして、そんなある日。


「悪いがエトリア、お前との婚約は破棄とする」


 ついにそう告げられてしまった。


 そう宣言する時の彼は冷ややかな表情であった。

 ただ、どことなくすっきりしたような顔つきでもあって、その双眸にはある種の未来への希望が宿っていた。


 私と離れると決めたからすっきりしているの? なんて思いながらも、彼の面を真っ直ぐに見つめ返す。


 だって私は何も悪いことなんてしていないのだ。だから堂々としていればいい。たとえ婚約破棄されかけているとしても、である。何かやらかしたわけではない、能力のことだって前もって伝えていた。だから私に非はない。なのだから、おどおどする必要性なんて少しもないのだ。


「婚約破棄、ですか」

「ああそうだ」

「といいますと、理由はやはり……」

「一番は能力のことだな」


 彼はさもそれが当たり前であるかのように言いきる。


「そんな気持ちの悪い女と結婚するなど、やはり無理だと思ったのだ」


 これはもう関係修復は無理だな。

 彼の顔を見ていてそう思った。


 ならば、ここで、もうすべてを終わりにしよう。


 その方が私にとって良い結果となるに違いない。


「分かりました。それが理由では仕方ないですね。では――これにて失礼いたします、さようなら」



 ◆



 ミッドガーデスに婚約破棄された後、実家暮らしに戻っていた私は、災害に見舞われた。

 だがその時救助活動において私の能力が役に立つこととなる。

 無数に増やした腕を使って同時に様々なことに取り組める、それは非常に大きな意味を持つことであったのだ。


 で、我が力によって、多くの命を救うことができた。


 それによって私は英雄となる。

 国王から直々に表彰され、民らからは『偉大なる女神』と呼ばれるまでになった。


 ちなみにミッドガーデスはというと、あの後別の女性と結婚しようとしているにも関わらず浮気をしたために結婚する予定の女性の父親に激怒され殺められてしまったそうだ。


 ……ま、べつに、それはもうどうでもいいのだが。


 なんにせよ、この能力を活かせる時が来て良かったと心から思う。


 一見気味悪い能力だ。一時的とはいえ腕が増えるのだから当然不気味だろう。私だって、もし自分が私ではなく他の人であったなら、きっと気持ち悪いなと思う部分もあったと思う。


 でも今回はそれを良いことに使うことができた。


 世のため人のため。

 そして何よりも大切な命を救うため。


 そのためにこの能力を使えたのだから、本当に、心から良かったと思うのだ。



 ◆



「見て! エトリアさまよ! いらしたわ!」

「あ、ほんと」

「ああ今日もお美しいわね……エトリアさまぁーっ」


 早いもので、あれから数年が経った。


「女神さまー! こっち向いてー!」

「国をいつも守ってくださってありがとうございますーっ」

「大好き!」

「神! マジ神! ずっと国を守ってください!」

「女神さま目線くださぁ~い」


 私は今も女神と呼ばれ民らから愛されている。


 そして、それは別に、この国の第一王子からの愛も得た。


 ――そう、第一王子と結婚したのである。


「エトリアは本当に人気だね」

「ええ……ちょっと恥ずかしいくらいだわ……」


 王子と夫婦になり、この国を守ってゆく。


 それが私の生きる道。


「君はそれだけのことをしているってことだよ。だから恥ずかしいなんて思う必要はない。君はそれほどに民にとって偉大で愛おしい存在だってことなんだからね」


 何があっても、もう、きっと戻りはしない。


「……ありがとう」



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ