第1話: 終わっていた未来、始まりの過去
この世界における最先端の魔術を知るために、ここ魔術学園”フェストル”に入学することになった。
そして今日入学式が行われる。
「ここがフェストルか...」
この町では学園を中心とした都市が形成されており、町は活気に満ちている。
校舎は大きくこの町のシンボルとしてふさわしい姿である。
学園は桜道の先にあり、新入生を祝福している。皆が夢に見た最高のシチュエーション。
「君はあの入学試験のときの・・」
誰かがこちらに向かって話しかけてくる。
「やっぱり君だね、久しぶり」
...記憶にない
「すまない忘れてしまったのだが、名前は?」
失礼だろうと申し訳なく言う。
「あ、あのとき名前を言っていなかったね、僕はルーナ、この町にまだ慣れていないけどよろしく」
「俺はジェイド、よろしく頼む」
挨拶を交わすがそうも言ってられない。
「話は後にしよう入学式に遅れるぞ」
2人は足早に会場に向かった。
「新入生はこちらへ」
忙しい雰囲気があるものの、粛々と工程が進められているようだ。
会場に入ると、うっすらと笑みを浮かべる新入生の保護者たち、緊張しているが、これからの学園生活を思い浮かべ紅潮する新入生たち。出会いはいつも美しい、そう体現するかのような空気感。
これからどのような出会いがあるのだろうか。
「新入生代表式辞・・・」
式が始まるとすぐに異変が起きた。
ドーーーーーン
窓ガラスが割れそうなほどの爆音。悲鳴があがる。
「学園の上空に次元の裂け目が!」
会場から抜け出すと大きな穴が上空に空いている。
「フェイズの反応あり こちらに突入します!」
サイレンが町中に鳴り響く。
大きな音とともに侵略者は空に解き放たれる。