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ブレイバーズ・メモリー(2)  作者: 橘 シン


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20-28


 竜騎士六番隊を出発した僕達はシュナイツへと向かっていた。


 はやる気持ちを抑え、とにかく急ぐ。


「なんだよ~もう…。もっと速く走れねえのかよぉ…」

「文句言うなら、先に行ってもいいんだせ」


 僕達、吸血族は竜より長く走れるけど、竜はそんな訳にはいかない。


 吸血族は走れないとしも歩ける。竜の場合は止まってしまって動けなくなる場合がある。


 夜どうし動ける僕達よりも、シュナイツに着くまで日数がかかってしまう。


 行動をともにしないといけないから一緒に走るんだけど、もっと速く走ってくれないかともどかしい思いを持っていた。

 それでも、当初の予定よりも速く着く事になる。



「この辺で止まってください」

「よし、全員止まれ!」


 シュナイツとポロッサの間、シュナイツよりの所で僕達は止まる。


「ここからシュナイツはすぐです」

「これ以上行ったら賊に見つかるかもしれないぜ」

「了解だ。ここで待機する」


 軽く右へ曲がる道の途中だ。


 ここまでは、特にトラブルもなく順調。


「それじゃ、僕達はシュナイツに行ってきます」

「ああ。急いでくれよ。ここで賊に見つかったら作戦が台無しだ」

「はい。行こう、タイガ」

「おう」


 僕達は森へ入っていく。

 

 シュナイツの西にある森を通り、賊を避け南側から帰るという予定だったんだけど…。


「ユウジ、なんか聞こえね?」

「ん?」

 

 耳を研ぎ澄ます。


 シュナイツの方から何か聞こえる。


 なんだろう。


 森を東へ行く。

 

 森を抜けずに様子を伺う。


「戦ってるぜ…」

「なんで…」


 賊の集団と竜騎士隊とその他兵士達が戦っていた。


 ミャン隊長をジルさんの姿も見える。


「タイミング合わせるって話だったよな」

「うん…」


 なぜ戦闘に?。


 ヴァネッサ隊長達が僕達がすぐそこまで来てる事は知らないはず。


「予定が狂った…」


 どうすべきが迷ってしまった。


「ユウジ。お前、戻って竜騎士を呼んでこい」

「え?」

「早く行けって!」

「でも…」

「もうタイミングなんて言ってる場合じゃねえ。どう見たって数で負けてるじゃねえか」


 確かにヴァネッサ隊長達は苦戦してるように見える。

 戦闘に参加してる兵士の数が、何故か少ない。

 

「タイガは、どうするの?」

「俺はヴァネッサ隊長達に加勢に行く」

 

 タイガ一人が加勢したところで状況はすぐに変わるわけじゃないと思うけど…。


「六番隊が来てる事を知らせないと。待ってるはずだから。知れば、安心するし士気があがる…と思う」


 タイガが言ってる事は間違いないと思う。


 待ち望んでいるものが来たとするば、頑張れるのは確かだ。


「わかったよ」

「頼むぜ」

「タイガ、無理はするなよ」

「おう、任せておけって」

 

 拳を合わせ、タイガが森を出る。


 僕は六番隊へと急いだ。


 森の中を全速力で駆け抜ける。


 

「はあ…はあ…」


 やっと抜けた…。


「随分速いな…もう行って来てのか?」

「いえ…はあ…すぐに、シュナイツに…向かって…ください…」

「今すぐに?」

「そう、です…」


 六番隊は動こうしない。


「早くっ…すでに交戦状態…で…はあ…はあ…」

「交戦だと!?」

「すぐに行かないと、ヴァネッサ隊長達が…早く!」

「わかった。行くぞ!」

 

 六番隊の竜が走り出す。


「私の竜に乗るんだ」

「はい…ありがとうございます」


 副長の竜に乗った。


「副長!タイミングどうするんです?」

「それは忘れろ。すでに交戦になっているならそれに加勢すればいい」


 副長が走りながら指示を出す。


「敵の状況を見て指示する。まずは急げ!」

「了解!」


 シュナイツへの登り坂を竜が賭ける。


「大丈夫か?」

「はい」

「君は状況を見て来たんだろう?分かる範囲でいい。教えてくれ」


 副長に戦闘の状況をできる限り話した。


「すみません。長い時間見ていたわけはないので…」

「十分だ」


「相当な数だ。気を抜くな!」

「はい!」

「六番隊の力を見せつけてやれ!」

「おおお!」


 登り坂を登りきり、地面が平坦になる。


 その先にシュナイツと賊の戦闘が見え始めた。


「あれか…」


 副長は単眼鏡を取り出し覗き見る。

   

「比較的まとまっているな…散らばっていたら厄介だがこれなら…」


 単眼鏡を覗きながら呟く。


「一班は私と来い!」

「はい!」

「近衛隊とニ班は敵集団の向こう側へ!先行しろ!」

「了解です」

「了解。行くぜ!近衛隊、遅れるなよ」

「ああ、わかっている!」


 近衛隊二名とニ班が速度を上げ追い抜いていく。


「三班と四班は北側へ。一人も逃がすな!」

「了解っす!うおお!」


 残りの班も気合いの入った声を上げながら賊へと向かって行った。


「私達は西側から攻める」

「はい!」

「叫べ!」


 副長と一班は竜の首を叩く。

 すると、竜が咆哮しシュナイツに響いた。




「姉御ぉ!…」


 なんだい?


 賊と戦っていたあたしの耳に聞こえないはずの声が…。


 姉御と呼ぶのはタイガだけど、気のせいか。


「隊長!」

「何?」


 そう言いながら賊の頭に剣を振り下ろす。


「敵の数多すぎますよ」

「知ってるって!」


 苦戦するのは予想できた。


 女性達が襲われていなければわざわざ敵の前に出たりはしない。

 

 賊は付かず離れず。竜騎士の戦い方を知ってるみたいな動きだった。


「姉御!」

 

 今度は確かに聞こえた。


「タイガ?」

「タイガですね」


 レスターと視線を交わす。


「戻ってくるの早くないですか?」

「だね」

 

 救援要請はだめだったか?


 それならそれで作戦を考えしかない。


「姉御…はあ…はあ…」

「ご苦労さん。ダメだったみたいだね」

「は?何言ってるんすか。六番隊連れて来ましたよ!」

「本当か!?」

「俺は絶対に連れてくるって言ったでしょって、あぶねえ!」


 タイガが竜の足もと駆け抜け賊に体当たりする。


「タイガ様来たからには、お前らに勝手はさせないぜ!」

 

 ナイフを素早く抜き、周囲の賊に刃先を向けた。


「ガキ一人が、調子こいてんじぇねえぞ!」

「お前から血祭りにあげてやる!」

「やっちまえ!」


 賊三人がタイガに襲いかかる。


 タイガは近づいて来た賊に足払いを一回転。

 転んで起き上がろうする賊。

 そこを思いっきり頭を蹴上げた。

 首が頭か、何かが砕けた音がなる。


「お前ら賊なんか一撃だ。さあ!かかって来いよ」


 タイガがドヤ顔で手招きする。


「で、六番隊はいつ来るんだよ?」


 レスターがそう彼に尋ねた。


「今来るって」

「今っていつだよ…来てないぞ」

「ところで、ユウジはどうしたの?あんた」

「そのユウジが六番隊を呼びに行ってんだよ。すぐそこだって」


 六番隊はすぐそこまで来ていて、タイミングを決めるためシュナイツに帰るところで、この戦闘を見かけた。


 ユウジが六番隊に、タイガが加勢に来たと。


「一応、考えて行動してるみたいですね」

「成長してるって事だね」


 レスターが感心してる。

 

 タイガは賊相手に大立ち回り。

 次々に賊が倒れいく。

 

「なかなかやるねぇ」

「なんで、俺だけ戦ってんだよ!」


 ジルとアリスとの訓練の成果出てるね。


 引いて見ていたあたし達も戦闘に加わる。


「六番隊が来ないとこっちの体力が持ちませんよ!」

「六番隊が来るまで、踏ん張るんだよ!後少しだ!シュナイツの意地を見せな!」


 その時だった。


 竜が首をもたげ、空に向かって咆哮する。 



 

Copyright(C)2020-橘 シン

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