第4話 なんでも屋の面々
依頼を受けて、なんでも屋に帰ると家族が別々の仕事を中断して集まってきた。
「お兄さん、今回の依頼は何でした?」
これは、双子の姉、私の妹に当たるエリーだ。
興味津々で、好奇心が強い。
「必要な物があれば、早めに。」
こちらは、双子の妹、同じく私の妹であるマリー。
双子の姉、エリーと違って物静かに対応しているように見えるが、根は姉と同じだ。
「また、変なことを頼んできたんじゃねー?」
こちらは、ランド。私の弟になる。
そして私を含めた男女4人で、何でも屋を切り盛りしているが、ほぼなんでも作ってしまう。
よほど、偏屈なものではない限り。
「今日の依頼は、これ。」
手渡された依頼書を見た面々が、これかぁ~という感じで見ている。
何しろ、この依頼、異世界からの召喚者が来る度に、その者が本物かどうかを調べるのに使うお題だったからだ。
しかも、こちらには毎回違うものを出せと、王宮から直に指示が来る。
今回は、コンペなので、そのような指示はないらしいが。
「お兄さん、良い?」
「ん?なんだい。」
「依頼書は街の有力者からなんでしょ。」
「そうだけど?」
「なんで王宮の召喚された人たちとのコンペなの?」
「たぶん、王宮から街へ依頼され、その依頼がこちらに回ってきたのだろう。」
「今までのじゃ、ダメなのかな?」
「いいんじゃねー。向こうは、こっちが引き受けるなんて思わねーし。」
「そうだね。それじゃあ、そのときの物を探してみるとしようか。」
「お兄さん。任せて。ええと、これかな…これ…これか…っと。はい。」
エリーが自分が所有する魔倉庫から取り出したのは、円筒形の何かだった。
「うわ、懐かしいー。いつ、作った奴だこれ。改良版なんだろー。」
「ええと、5年前のものだね。」
「どれどれー。」
作成された物は、鑑定すれば、その名称や説明だけではなく、銘と製造年月が入る。
もちろん、品質が一定以上に達しないと、それらは入らないが。
うちは、特殊なので、品質が低くても全て入る。
鑑定持ちのランド、上位の分析を持つのは、私。
双子は、分析以上の能力である、組成能力がある。
方向性が多少違うような気がするが、結局は同じなので問題はないだろう。
いや、組成ではなく、より正確には、創造なんだろうが。
さくさく投稿
以前の内容と少し違っていますが、設定に合わせて変更しました。
登場人物は、お約束~の4人組です。
ここまでお読み頂きありがとうございました。